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2018 AUTOBACS SUPER GT Round8
「MOTEGI GT 250km RACE GRAND FINAL 」 レースレポート
3号車「CRAFTSPORTS MOTUL GT-R」のGT500クラスデビューイヤーとなるスーパーGT2018シーズンが、ツインリンクもてぎで最終戦を迎えた。
時折速さを見せながらも、結果的にレースでの最高位はここまで7位。
納得のいく結果を出すため最後のチャンスとなるこの一戦、終盤戦に入り本来の速さを発揮できていないニッサン勢の中にあって、午前中に行われた公式練習で比較的ポテンシャルを感じさせたのが3号車だった。
ウェットコンディションでスタートしたセッションは、中盤あたりからドライに。
ここから午後の予選に向けたセットアップは概ね順調で、専有走行時間帯の千代勝正によるアタックシミュレーションの結果は11位に終わったものの、チームはQ2進出可能な手ごたえを感じていた。
【予選】11月10日(土)天候:晴れ 路面:ドライ 気温:22℃ 路面温度:24℃(予選開始時)
■公式練習結果:11位 1’37.927(千代)
■公式予選結果:8位 1’37.154(本山)
この時期としては異例ともいえる陽気となったこの日のもてぎだったが、午後になると風が冷たくなり、午前と比べ路面温度は下がることになった。
そんな中、午後2時20分にGT500クラスの予選Q1がスタート。
3号車のQ1を担当する千代は残り8分あたりでコースインすると、2周のウォームアップを経てアタックへと入った。
そしてマシンの仕上がりに好感触を持っていた千代はS字で飛び出し若干のタイムロスを喫するも1’36.913をマークし、この時点で6位。
ラストアタックでのベスト更新はならなかったが、なんとか8位に残ることに成功し、ニッサン勢で唯一Q2進出を果たした。
その後、GT300クラスのQ2を経て午後3時03分、GT500クラスのQ2がスタートした。
Q2は10分間で行われ、3号車は開始から3分後に本山哲を乗せ、8台の先頭を切ってコースへと入っていく。
そしてQ1と同じルーティンで2周のウォームアップを済ませると、3周目にアタック。
公式練習でニュータイヤでのリハーサルを行っていない本山にとってはぶっつけ本番に近い状態でだったが、渾身のアタックで3周目に1’37.154をマーク。更に続く周回もアタックを敢行。
そしてチェッカーを受けたライバル勢が次々とピットへ戻る中、コース上に1台残った3号車は最後まで諦めずプッシュするもタイムアップは果たせず8位に留まり、最終戦のレースを3号車は4列目の8番手から挑むことになった。
●本山哲の予選コメント
「ここ数戦の原因についてチームとミーティングを重ねた結果、かなりフィーリングが良くなり今日は攻められる状態にあることを感じていました。
しかしながらライバルたちもポテンシャルを上げていて、特に予選でのパフォーマンスアップが大きいので8位くらいで踏みとどまれれば、というのが現実的な予選目標でした。
千代がQ1を上手くまとめてくれたので、Q2は一つでも上のポジションをとギリギリまでアタックしましたがかないませんでした。
自分のアタックもクルマなりのパフォーマンスは出せたし、この予選に関して言えばベストな結果で終えられたと思います。
もちろん8位で満足というわけではありませんが、レースではもっと強いと思っているので、8番手からうまくポジションを上げていって最終戦こそ表彰台を獲得したいと思います。」
【決勝】11月11日(日)天候:晴れ 路面:ドライ 気温:24℃ 路面温度:30℃(決勝開始時)
■決勝結果:9位(53周)1h31’50.055(千代→本山)
この日のもてぎは朝から雲ひとつない青空が広がり、シーズンファイナルを飾るにふさわしい絶好のコンディションとなった。
好天に誘われるようにサーキットに集まった3 万7千人の大観衆が見守る中、午後1時30分に最終決戦の火ぶたが切られた。
3号車のスタートドライバーは千代がつとめた。
オーバーテイクポイントがほぼないコースレイアウトである反面、レース距離は250kmと通常より短くピット戦略に幅がもてることで、8番手とはいえ3号車が順位を上げていく可能性は充分あると思われた。
レース序盤は安定したペースでしっかりと8位をキープしながら順位浮上を窺っていく。
しかしラップペースでは7位を上回るも、もてぎのコースでさらにGT300クラスの混走となるとなかなかチャンスは訪れず、ポジションキープのままピットインのタイミングを探る。
全体的に接近していたことからアンダーカットを狙うために各マシンの動き出しは比較的早く、20周目以降、ピットは慌ただしくなった。
そんな中、ペースが安定していた3号車はピットインを引っ張る作戦に出る。
ところがこれは裏目に。26周目にピットインした3号車は数周前にピットインしニュータイヤでプッシュしたマシン4台に先行されることになり、ここで代わった本山は12位で第2スティントをスタートさせることになった。
前半と同様、後半も3号車のペースは上位に匹敵するものだった。
だが屈指のレース巧者である本山をもってしてもコース上でのオーバーテイクは難しく、しばらくは膠着状態が続く。
順位が変動したのは48周目のことだった。前の2台が接触し、そのうちの1台がコースアウトを喫したことで11位に浮上すると、さらにもう1台にドライブスルーペナルティが課せられ50周目には10位。
ここでようやくポイント圏内に復帰する。そして、その後1台をオーバーテイクすることに成功するもその周をもってレースは終了。
3号車は最終戦でも速さを結果に結びつけられず、9位でレースを終えることになった。
●本山哲の決勝コメント
「今回は、クルマもタイヤもコンディションにマッチして序盤から良いペースで走ることが出来たと思います。
結果としてはピットインのタイミングが大きく左右しました。
早めにピットインしたクルマが想定より大きくペースを上げたことで、3号車は中盤以降もペースは悪くないもののそのギャップを埋める事が出来ませんでした。
ピットインのタイミングを遅らせ、その間にプッシュする事で少しでも前とのギャップを詰める作戦でしたが、今日のレース展開の中ではその効果を発揮できませんでした。
レース終盤まで挽回できるポテンシャルはあったものの、このコースではなかなかオーバーテイクは難しく、速さを結果に活かせず残念です。
新体制で迎えた今シーズン、全てが思い通りの展開にはなりませんでしたが、最後に何とか良い状態でレースをすることができて良かったと思います。
最後になりましたが、今シーズンの参戦を支えて頂きました、日産、ニスモ、チーム、活動を支援して頂いた関係企業各社様に心より御礼を申し上げます。
そして、最後まで熱い声援で共に戦ってくれたた多くのファンの皆さんに感謝します。
次はニスモフェスティバルでお会いしましょう!!」
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2018 AUTOBACS SUPER GT Round7
「AUTOPOLIS GT 300km RACE 」REPORT
スーパーGT2018シーズンのセミファイナルとなる第7戦が九州のオートポリスで行われた。
3号車「CRAFTSPORTS MOTUL GT-R」のここまでの戦績は最高位が開幕戦と第3戦の7位と、都度見せる速さに対し物足りなさは否めない。
第7戦はウェイトハンデが軽減されランキング上位に対するアドバンテージは少なくなるが、それでも周囲の今季初表彰台への期待はやまなかった。
だが午前中に行われた公式練習では肌寒いコンディションの中、GT-R勢は望むパフォーマンスを発揮できず、3号車は12位留まり。
厳しい週末のスタートとなった。
【予選】10月20日(土)天候:晴れ 路面:ドライ 気温:15℃ 路面温度:34℃(予選開始時)
■公式練習結果:12位 1’34.249(千代)
■公式予選結果:15位 1’34.695(千代)
午後2時50分から予定されていたGT500クラスの予選Q1は、GT300クラスのQ1で赤旗が出た影響から4分遅れでスタート。
午後から日差しが強まったことで路面温度は34℃と午前中とは大きく異なったコンディションの下、各マシンはアタックに挑んだ。
路面温度が高くなったことで、各マシンのターゲットはQ1終盤の2~3周。
15分間のセッションの中、残り6分となった時点で1台が動き出すと、ほかの14台も一斉にコースインしていった。
3号車のQ1は千代勝正が担当し、予定通り2周のウォームアップランの後アタック周回へと入っていく。
そのアタック1周目は1分34秒695で4番手。
続く2周目のアタックでは、さらなるタイムアップを目指しプッシュ、しかし1コーナーでタイヤをロックさせてしまい痛恨のタイムロスを喫しベスト更新はならず。
一方、ライバルたちは大きくタイムアップを果たし、上位4台がコースレコードを更新するというハイレベルの攻防となる。
ここでタイムを伸ばせなかった3号車は最終的に15位へと後退し、Q1ノックアウトが決定。
Q2を担当する本山哲の出番は巡ってこなかった。
●本山哲の予選コメント
「予選日のコンディションに対し午前のセッションからセッティングが路面とうまく合わず、厳しい週末のスタートとなりました。
午後は天気が良くなったことで少しは良い方向に向かうのではと期待したのですが、千代も積極的にアタックしましたが、ライバル勢には一歩届きませんでした。
レースは最後尾からの追い上げとなりますが、マシンのポテンシャルを最大限に引き出し、チームと共に一つでも上のポジションでチェッカーを受けれるように千代と頑張ります。」
【決勝】10月21日(日)天候:晴れ 路面:ドライ 気温:17℃ 路面温度:36℃(決勝開始時)
■決勝結果:13位65周)1h57’20.421(本山→千代)
山間部に位置するオートポリスは前夜から早朝にかけてかなり冷え込んだが、午前中には雲ひとつない晴天となり絶好のレース日和となった。
レース開始時刻には気温も上がり、気温17℃に対し路面温度は36℃という、この時期らしからぬコンディションとなった午後2時、65周のレースがスタートした。
第1スティントを担当する本山を乗せた3号車は15番グリッドからスタートすると、オープニングラップから反撃を開始。
レース序盤はタイヤをうまくマネージメントしながら、本山は粘りの走りを見せる。
16周目にはイレギュラーのピットインに入ったマシンが出たことで13位と、着実に順位を上げていった。
その後20周目、コースアウトしたGT300のマシンを排除するためにセーフティカー(SC)が導入される。
これで前との差は一気に縮まり、13位につけていた3号車にもポイント獲得の可能性が出てくる。
レースは全体の1/3の周回を過ぎた25周目にSCが解除され再開、このタイミングで多くのマシンがピットに向かった。
3号車もリスタート後26周目にピットイン。ポイント圏内への浮上は第2スティントの千代に託された。
40周近いロングスティントをこなすことになった千代は、ライバルたちとの戦いに加え燃費およびタイヤのデグラデーションとも戦わなければならなかった。
スティント序盤はタイヤマネージメントに徹し我慢の走りを強いられる。
そんな中、終盤になるとタイヤトラブルなどで脱落するマシンが出はじめ、一時15位まで後退していた3号車は59周目に13位と、スタートポジションに復帰する。
だが、ここからは燃費がギリギリの状態だったためさらなるプッシュはできず、3号車は13位のままチェッカーを受けた。
●本山哲の決勝コメント
「オートポリスは比較的タイヤに厳しいコース、そして後方から追い上げるレース展開を考え、序盤はタイヤマネージメントとピットのタイミングを戦略として走りました。
ピックアップが酷かったのもあり、予定より早いピットインを行う事になりレース後半の40周を千代に託しましたが、終盤は燃料も厳しくなり、期待していたオートポリスのレースですが最後まで悪い流れが続いてしまった事が悔しいです。
次はいよいよ最終戦、応援して頂いている皆さんの期待に応えるべく、チーム一丸となって様々な状況を改善できるよう努力し、しっかり準備して臨みたいと思います。
皆さん、最終戦も応援よろしくお願いします!」
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2018 AUTOBACS SUPER GT Round6
「SUGO GT 300km RACE 」レースレポート
スーパーGT2018シーズンはいよいよ残り3戦、スポーツランドSUGOで第6戦を迎えた。
チームは異なるが3号車「CRAFTSPORTS MOTUL GT-R」の本山哲、千代勝正のコンビは昨年、このSUGOでシーズン最高位の2位を獲得。
またウェイトハンデもまだ軽いことから、今回注目の1台に数えられている。
ところが午前中に行われた公式練習のまだ走り出しの段階でミッショントラブルに見舞われミッションの交換作業で残り時間をすべて費やすという、よもやの事態から週末をスタートさせることになった。
【予選】9月15日(土)天候:雨のち曇り 路面:ウェット/ドライ 気温:23℃ 路面温度:25℃(予選開始時)
■公式練習結果:15位 1’14.195(本山)
■公式予選結果:13位 1’12.816(千代)
午後になり、予定から22分遅れの2時52分よりGT500クラスの予選Q1は開始された。
公式練習中に降り始めた雨はすでに止み、路面はほぼドライへと回復。
各マシンは最初からスリックタイヤでコースインし、通常より短い10分間のセッションに挑む。3号車は千代がQ1を担当。
公式練習の序盤にトラブルが出たことで全くのぶっつけ本番で挑むことになった3号車は残り時間が8分切ったあたりでコースインすると、入念にタイヤを温めアタックラップへと入っていった。
ところが残り時間2分を切ったところでクラッシュしたマシンが出たためQ1は赤旗中断となる。
この時点で3号車はかろうじてQ2進出圏内に留まっていたが、タイムはまだ15秒台。
赤旗解除後、残り時間が短かったとしてもこのままでは逆転される可能性が高く、自身もベストタイムを大きく更新する必要があった。
そしてクラッシュしたマシンの回収が終わり残り2分45秒でQ1は再開。
各マシンにはワンチャンスのみ残されることになり、ここで雌雄は決せられた。
3号車の千代はここで1分12秒816のベストタイムをマークするもQ2進出ラインには届かず、13位で予選を終えることになった。
本山はQ2を走ることができず、翌日の決勝にはぶっつけ本番の状態で挑むことになった。
●本山哲の予選コメント
「朝の公式練習で走り出したとたんにギアチェンジができなくなり、結局ミッションごと交換することになったため、全く走ることができませんでした。
スタッフが午後の予選までに作業を終えマシンを仕上げてくれたので、千代は公式練習を走れなかったものの迎えたぶっつけ本番のQ1では頑張ってくれました。
しかし赤旗中断もあり3号車は予選を上手くまとめきれなかったのが残念です。
13番グリッドからの決勝はかなり厳しい状況になると思いますが、当日の天候や常に変化するレース展開を読みとって一つでも上のポジションで終えれるように、チーム一丸となって戦います。
とにかく81周のレース、千代と二人で最後までベストを尽くして走り切ります。決勝も応援よろしくお願いします!」
【決勝】9月16日(日)天候:晴れ 路面:ドライ 気温:26℃ 路面温度:37℃(決勝開始時)
■決勝結果:8位(81周)1h52’15.537(本山→千代)
事前の予報では雨の可能性もあったこの日のSUGOだが、朝からの好天は午後も変わらず、今季第6戦のレースはドライコンディションの下で行われた。
セッション中盤までドライだった前日の公式練習でほぼ走れていない3号車にとっては、予選に続くぶっつけ本番。
ウォームアップ走行では4位のタイムを記録したものの、タイヤライフという点で不安を残したままレースに挑むことになった。
路面温度が37℃に達した午後2時にレースはスタート。
序盤こそ静かな展開となるもGT300クラスに追いついてからは徐々に各ポジションでバトルが起り、順位は変動していった。
3号車のスタートドライバーをつとめる本山も序盤はタイヤセーブに徹し、13番手をしばらくキープ。
その間、前後のマシンは離れることなく、10周を過ぎても8位~15位まではかなり接近していた。
そして、本山は満を持してここから攻めに転じると、次々とオーバーテイクを決めていった。
16周目に12位、23周目には11位へと浮上。
さらにポイント圏内の10位にもうすぐ到達しようとした38周目に3号車はルーティンのピットインを行い、ここで12位に一旦後退。
しかし千代が担当する第2スティントでもタイヤは変わらず安定したパフォーマンスで、さらに今回投入した新エンジンもパワーを発揮し、再び3号車の順位は浮上しはじめた。
50周目には11位、51周目には10位、さらに55周目には9位、59周目には8位と、3号車はすべてコース上でオーバーテイクを決め順位を上げていった。
レースはその後、69周目にセーフティカーが入り75周目にリスタート。
その6周も危なげない走りで3号車は8位をチェッカーまで守り、3戦ぶりのポイントを手にした。
●本山哲の決勝コメント
「雨になると思っていたのでドライタイヤはソフト寄りのものを選択していて、さらに予想よりも暑くなったことで序盤はセーブしつつ、タイヤマネージメントに徹しました。
想定よりグリップダウンが少ないことが解ると、その後は徐々にペースを上げ前をプッシュ。
スティントの最後まで上位と遜色のないレースラップを維持できたので順位を上げていくことができました。
想定していた温度域と若干合っていないことで最初は不安でしたが、千代に変わってからもタイヤは高いパフォーマンスを発揮、常にコース上でのオーバーテイクにつながったと思います。
もちろん理想とする順位ではなくもっと上を目指さなければならないことは分かっていますが、予選順位からすれば今日の結果はベストなものだったと思います。
今シーズンまだ表彰台に上がっていないので、次こそはそのポジションで戦いたい。
エンジンも含め、その手ごたえは感じています。皆さん、次戦も応援よろしくお願いします!」
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2018 AUTOBACS SUPER GT Round5
「FUJI GT 500MILE RACE 」レースレポート
スーパーGT2018シーズンは後半戦に入り、富士スピードウェイで第5戦を迎えた。
夏休みの富士ラウンドはここ数年恒例だが、今回から距離が500マイル(807.651km)という、全く性格の異なるレースに変貌。
真夏の耐久レースは昨年までの鈴鹿1000kmで各チーム経験積みであるものの、コースが違えばノウハウも異なってくるため未知のレースだといえる。
そんな中、富士に強いGTR勢でハンデが比較的軽い3号車「CRAFTSPORTS MOTUL GT-R」は、優勝候補の一角に名を連ねた。
その期待通り、午前中に行われた公式練習で千代勝正が2位をマーク。
好調な滑り出しを見せた。
【予選】8月4日(土)天候:晴れ 路面:ドライ 気温:31℃ 路面温度:44℃(予選開始時)
■公式練習結果:2位 1’29.513(千代)
■公式予選結果:4位 1’28.872(本山)
富士はこの日、例外なく猛暑となった。午後2時55分、公式予選Q1がドライコンディションでスタート。
GT500クラスの各マシンはタイヤパフォーマンスのピークを15分間のセッションの終盤に合わせるため序盤はピットで待機、開始から6分を過ぎたところで一斉にコースインしていった。
正午あたりは50℃を超えていた路面温度は44℃まで下がり、各マシンは2周から3周のウォームアップを経て、アタックへと入った。
千代がQ1を担当する3号車は、3周のウォームアップを経てターゲットラップである4周目にアタック。
ややミスがあったものの1’29.076をマークすると、トップに立った。
だがライバルたちもこのあたりから29秒台前半を続々とマーク。
Q2進出圏内の8台は、わずかコンマ4秒差以内にひしめくことになった。
そんな中、3号車は2位に留まることになり順当にQ2へと駒を進めた。
Q1の上位8台によって争われるQ2は、午後3時38分より開始。
Q2は10分間ということで、各マシンは2分を過ぎたあたりから動き出す。
3号車の本山哲は8台中3番目にポジショニングすると2周のウォームアップ後、3周目にアタックに入った。
そしてQ1と同じくQ2でも速さを見せる3号車は上位が29秒台で競り合う中、一気に28秒台へと突入。
1’28.872をマークしトップに躍り出る。
だがこの後、同じく28秒台をマークしてくるマシンが数台現れ、ポール争いはQ1と同じく接戦に。本山にはもう1周アタックのチャンスがあったが、ここはベスト更新ならず。
最終的に3号車は4位となり、セカンドローからレースに挑むことになった。
●本山哲の予選コメント
「朝の公式練習からクルマ、タイヤともに今回はかなり高いレベルにあることを感じていました。バランスも良く、かなりの手ごたえをもって迎えた予選でした。
その中で、Q2ではセクター3でややオーバーステアが出てタイムロスした分、トップには負けたという感じです。
そこは決勝までに改善しレースに臨みたいと思います。
富士では初めての500マイルレース、そして4回のピットインが義務付けられる未知数のレースになりますが、それは他も同じ。この良い流れを活かした戦略でチーム一丸となって戦います。
とにかくクルマに手ごたえを感じているので、きちんとレースができれば表彰台にいける自信はあるし、優勝のチャンスも充分あると思います。
応援よろしくお願いします!」
【決勝】8月5日(日)天候:晴れ 路面:ドライ 気温:35℃ 路面温度:48℃(決勝開始時)
■決勝結果:15位(139周)3h45’45.752(千代→本山→千代→本山→千代)
富士は前日同様の猛暑となり、初の500マイル(807.651km)のレースはより過酷になると予想された。
エンジン、タイヤ、ブレーキ、ドライバーにかかる負担をどう克服するのか、また義務づけられる4度のピットインをどう戦略に活かすのか、チーム力が試される一戦は午後1時30分、スタートした。
レースは長丁場らしい、静かな幕開けとなった。
3号車の第1スティントを担当する千代は4番グリッドからスタート後の1コーナーで順位をひとつ落とすも、落ち着いて立て直し翌周挽回。
さらに3位浮上へ向けペースアップと、順調な出だしを見せる。
7周目にはGT300のトラフィックからコースアウトし後退するが、ここでもすぐに6位復帰。この先の長さを考えればペース的にも、まだ充分上位進出の可能性はあるものと思われた。
ところが20周目にさしかかったあたりからタイヤのグリップが急激に落ち、3号車のペースは一気にダウン。そこまで1分32~33秒台だったラップタイムは35秒台、36秒台と周回を追う毎に苦しくなる。
このため3号車は29周目と、予定より早い段階で1回目のピットイン。
代わった本山はペースを再び32~33秒台へと戻し、徐々に前のクルマに近づいていく。この時点で暫定14位とスタートグリッドの4位からはずいぶん遠ざかってしまったが、レースはまだ130周以上残されている。
この暑さで後半サバイバル戦となれば、チャンスはまだある。
本山はタイヤマネージメントに気を払いながらの着実な走りで、遠い先にあるチャンスを待つことにした。だがやはり、このスティントでも20周を境にグリップダウン。
ここから3号車のペースはまた一気に36秒台へと落ちることになってしまった。
こうして2回目のピットインも57周目と予定より早めざるを得なくなり、そればかりか千代に代わった第3スティントでも同じ現象に悩まされる。
再び本山がステアリングを握った第4スティントでも、状況は変わらなかった。
そしてレースは終盤へとさしかかり、予想通りトラブルを発生させるマシンが現れはじめる。
その口火を切ったのが3号車だった。
ここまで防戦一方の3号車に追い打ちをかけるように139 周目、今度は駆動系のトラブルが発生。
これ以上は戦えないと判断したチームはここでリタイヤを決意。第5スティントを走っていた千代はピットに戻ると、マシンをガレージに納めた。
なお139周は全周回数の7割を超えているため、完走扱いとなった。
●本山哲の決勝コメント
「自分のスティントでも千代と同じトラブルが出てしまい、どうにもならなかった。予定周回までタイヤを持たせるためにペースを落とさざるを得ず、終始苦しい状況で走り続けることになりました。
さらに終盤には駆動系にトラブルが発生し、リタイヤと言う苦渋の決断をする事になりました。
これは全く想定外のことで、この原因は徹底的に究明して次戦に備えます。
長時間にわたるこのレースを応援してくれたファンの皆さんに、最後まで戦う姿を見せられなかったことが残念でなりません。
次のSUGOは自分としても自信があるコースなので、ここで思い切り走れるよう万全の態勢で挑みたいと思います。
猛暑の中、応援に駆けつけてくれたファンの皆さん、関係者の皆さん有難うございました。次戦は、昨シーズン後方グリッドより表彰台を獲得した相性の良いSUGO。
チーム一丸となって戦いますので、応援よろしくお願いします!」
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2018 AUTOBACS SUPER GT Round4
「Chang SUPER GT RACE 」レースレポート
鈴鹿で行なわれた第3戦から約1カ月のインターバルを経て、スーパーGT2018シーズンはタイのチャン・インターナショナル・サーキットで第4戦を迎えた。
昨年まで秋口に行われていたタイラウンドが今年は6月に開催ということで、さらに暑くなることが予想された今回、3号車「CRAFTSPORTS MOTUL GT-R」は、土曜日午前中に行われた公式練習でトップタイムをマーク。
夏場を得意とするミシュランタイヤ、そして過去6月に行われたタイラウンドで勝利している本山哲を擁する3号車は、一躍ポール候補、優勝候補に名乗りを上げることになった。
【予選】6月30日(土)天候:晴れ 路面:ウェット/ドライ 気温:29℃ 路面温度:35℃(予選開始時)
■公式練習結果:1位 1’23.349(千代)
■公式予選結果:9位 1’30.228(本山)
ドライ路面では万全の仕上がりだった3号車にとって、予選は不利な状況となった。
午後になりピットウォークが終わったあたりから、コース上には激しい雨が。
予選が開始される午後3時の時点で雨は上がったもののセッションを行うためには路面の排水作業が必要となり、15分ディレイで予選はスタート。
セッション中の路面の乾き具合、そして50℃超えの予想だった路面温度が30℃台に下がったことへの対応と、各チームは出走を前に頭を悩ませることになった。
GT300クラスが先にQ1を走ったことで路面の水はかなり少なくなったものの、まだスリックタイヤでの走行は難しいと、全マシンがまずはウェットタイヤでコースイン。
3号車のQ1を担当する本山も浅ミゾのウェットでアタックを開始する。3周目にマークした1’32秒3は、この時点で3位となった。
そして、序盤からスリックに切り替えたりレインに戻したりと路面に翻弄されてきた各マシンだったが、このあたりからスリック有利と判断するマシンが多くなり、続々とピットイン。
結局、この判断のタイミングがQ1の明暗を分けることになった。3号車の本山はそこから2周後にピットインし、スリックタイヤに交換。
再びコースに戻ると僅かな残り時間をギリギリまで使い、懸命にタイヤを暖めベストタイム更新に挑む。
そしてラストアタックで自己ベストとなる1’30.228をマークするも、順位は9位留まり。
タイヤは最後まで暖まり切らず、Q2に進出できる8位までもう一歩というところまで迫りながら、ここで敗退することになった。
3号車はレースを9番グリッドからスタートすることになった。
■本山哲の予選コメント
「最初はウェットで出て行って、そのときのタイムが良かったことで、結果的にスリックタイヤに交換するタイミングが1~2周遅れてしまった。
セッションの残った時間で、選んだタイヤを十分に暖めきることができませんでした。
結果的にはあと1周チャンスがあればQ2に進出できたと思いますが、交換の判断は非常に難しかったですね。
でもドライだったフリー走行では良い状態だったので、レースでは最後までしっかり走りきれば順位を上げていけると思います。
皆さん、決勝も応援よろしくお願いします!」
【決勝】7月1日(日)天候:晴れ 路面:ドライ 気温:32℃ 路面温度:47℃(決勝開始時)
■決勝結果:13位(65周)1h37’18.355(本山→千代)
この日のチャン・インターナショナル・サーキットは、朝から雲ひとつない快晴となった。
前日のようなスコールが発生する気配もなく、従来予想されていた路面温度50℃前後のドライコンディションで午後3時、定刻通りにレースはスタートした。
前日の公式練習でドライコンディション時の速さを見せていた3号車には、序盤から順位浮上の期待がかかっていた。
だがスタートドライバーの本山は、まずはタイヤセーブに徹し、着実に順位をキープするレース運びを見せる。
8周目にオーバーランを喫したことで一時12位へと後退するも、徐々に順位は挽回。
24周目からは3周連続でオーバーテイクを決め、26周目にはスタートポジションの9位へと復帰する。
このあたりから各マシンによるルーティンのピットインが始まった。
3号車は32周目にピットイン。ここでドライバーを千代勝正に代え、給油を済ませると、そのままコースへと出ていく。
3号車が前半タイヤセーブに徹していたのは、タイヤ無交換作戦への布石だった。
タイヤ無交換作戦により36周目、全マシンのルーティンピットインが終わると3号車は5位へと浮上していた。
そして、そこから数周の間は1分26秒台と、まずまずのラップタイムをキープ。
ところがその後、急激にタイヤのグリップは落ち、3号車はペースを落としてしまう。
順位も43周目の6位を皮切りにどんどん後退し、52周目にはポイント圏外の11位へ。
グリップしなくなったタイヤで千代が必死に粘るも、状況はもはや限界に達していた。
結局3号車は65周を走り13位でチェッカー。
開幕からの連続ポイント獲得はここで途切れることになった。
■本山哲の決勝コメント
「第1スティントは、タイヤ無交換の戦略も考えてのスタート。
序盤からタイヤをセーブしながら、状況的には何とかいけるんじゃないかと思っていました。
ラップタイムから考えても、順位をカバーする意味でも、この時点の状況ではそれしか選択がなかったです。
結果的にはタイヤはもたず、戦略はうまく機能しませんでした。
難しい予選となった為に、レースで上位に食い込む戦略が絞られ、公式練習のタイムをレースに活かせなかったのが残念です。
シーズン中にはこういった厳しいレースがあるのは仕方がないと言えども、シーズン後半戦に向けて常に上位で争えるように、今回のデータを分析して、しっかりと戦略を立てチーム一丸となって次戦に備えます。
RD5は8月の富士。タイに続いて猛暑が予想されますが、是非サーキットで熱い声援をよろしくお願いします!」
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