2018 AUTOBACS SUPER GT Round6
「SUGO GT 300km RACE 」レースレポート
スーパーGT2018シーズンはいよいよ残り3戦、スポーツランドSUGOで第6戦を迎えた。
チームは異なるが3号車「CRAFTSPORTS MOTUL GT-R」の本山哲、千代勝正のコンビは昨年、このSUGOでシーズン最高位の2位を獲得。
またウェイトハンデもまだ軽いことから、今回注目の1台に数えられている。
ところが午前中に行われた公式練習のまだ走り出しの段階でミッショントラブルに見舞われミッションの交換作業で残り時間をすべて費やすという、よもやの事態から週末をスタートさせることになった。
【予選】9月15日(土)天候:雨のち曇り 路面:ウェット/ドライ 気温:23℃ 路面温度:25℃(予選開始時)
■公式練習結果:15位 1’14.195(本山)
■公式予選結果:13位 1’12.816(千代)
午後になり、予定から22分遅れの2時52分よりGT500クラスの予選Q1は開始された。
公式練習中に降り始めた雨はすでに止み、路面はほぼドライへと回復。
各マシンは最初からスリックタイヤでコースインし、通常より短い10分間のセッションに挑む。3号車は千代がQ1を担当。
公式練習の序盤にトラブルが出たことで全くのぶっつけ本番で挑むことになった3号車は残り時間が8分切ったあたりでコースインすると、入念にタイヤを温めアタックラップへと入っていった。
ところが残り時間2分を切ったところでクラッシュしたマシンが出たためQ1は赤旗中断となる。
この時点で3号車はかろうじてQ2進出圏内に留まっていたが、タイムはまだ15秒台。
赤旗解除後、残り時間が短かったとしてもこのままでは逆転される可能性が高く、自身もベストタイムを大きく更新する必要があった。
そしてクラッシュしたマシンの回収が終わり残り2分45秒でQ1は再開。
各マシンにはワンチャンスのみ残されることになり、ここで雌雄は決せられた。
3号車の千代はここで1分12秒816のベストタイムをマークするもQ2進出ラインには届かず、13位で予選を終えることになった。
本山はQ2を走ることができず、翌日の決勝にはぶっつけ本番の状態で挑むことになった。
●本山哲の予選コメント
「朝の公式練習で走り出したとたんにギアチェンジができなくなり、結局ミッションごと交換することになったため、全く走ることができませんでした。
スタッフが午後の予選までに作業を終えマシンを仕上げてくれたので、千代は公式練習を走れなかったものの迎えたぶっつけ本番のQ1では頑張ってくれました。
しかし赤旗中断もあり3号車は予選を上手くまとめきれなかったのが残念です。
13番グリッドからの決勝はかなり厳しい状況になると思いますが、当日の天候や常に変化するレース展開を読みとって一つでも上のポジションで終えれるように、チーム一丸となって戦います。
とにかく81周のレース、千代と二人で最後までベストを尽くして走り切ります。決勝も応援よろしくお願いします!」
【決勝】9月16日(日)天候:晴れ 路面:ドライ 気温:26℃ 路面温度:37℃(決勝開始時)
■決勝結果:8位(81周)1h52’15.537(本山→千代)
事前の予報では雨の可能性もあったこの日のSUGOだが、朝からの好天は午後も変わらず、今季第6戦のレースはドライコンディションの下で行われた。
セッション中盤までドライだった前日の公式練習でほぼ走れていない3号車にとっては、予選に続くぶっつけ本番。
ウォームアップ走行では4位のタイムを記録したものの、タイヤライフという点で不安を残したままレースに挑むことになった。
路面温度が37℃に達した午後2時にレースはスタート。
序盤こそ静かな展開となるもGT300クラスに追いついてからは徐々に各ポジションでバトルが起り、順位は変動していった。
3号車のスタートドライバーをつとめる本山も序盤はタイヤセーブに徹し、13番手をしばらくキープ。
その間、前後のマシンは離れることなく、10周を過ぎても8位~15位まではかなり接近していた。
そして、本山は満を持してここから攻めに転じると、次々とオーバーテイクを決めていった。
16周目に12位、23周目には11位へと浮上。
さらにポイント圏内の10位にもうすぐ到達しようとした38周目に3号車はルーティンのピットインを行い、ここで12位に一旦後退。
しかし千代が担当する第2スティントでもタイヤは変わらず安定したパフォーマンスで、さらに今回投入した新エンジンもパワーを発揮し、再び3号車の順位は浮上しはじめた。
50周目には11位、51周目には10位、さらに55周目には9位、59周目には8位と、3号車はすべてコース上でオーバーテイクを決め順位を上げていった。
レースはその後、69周目にセーフティカーが入り75周目にリスタート。
その6周も危なげない走りで3号車は8位をチェッカーまで守り、3戦ぶりのポイントを手にした。
●本山哲の決勝コメント
「雨になると思っていたのでドライタイヤはソフト寄りのものを選択していて、さらに予想よりも暑くなったことで序盤はセーブしつつ、タイヤマネージメントに徹しました。
想定よりグリップダウンが少ないことが解ると、その後は徐々にペースを上げ前をプッシュ。
スティントの最後まで上位と遜色のないレースラップを維持できたので順位を上げていくことができました。
想定していた温度域と若干合っていないことで最初は不安でしたが、千代に変わってからもタイヤは高いパフォーマンスを発揮、常にコース上でのオーバーテイクにつながったと思います。
もちろん理想とする順位ではなくもっと上を目指さなければならないことは分かっていますが、予選順位からすれば今日の結果はベストなものだったと思います。
今シーズンまだ表彰台に上がっていないので、次こそはそのポジションで戦いたい。
エンジンも含め、その手ごたえは感じています。皆さん、次戦も応援よろしくお願いします!」