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2018 AUTOBACS SUPER GT Round3
「SUZUKA GT 300km FAN FESTIVAL 」レースレポート
第2戦から約2週間という短いインターバルを経て、今季第3戦が鈴鹿サーキットで開催。
昨年までは8月に1000kmの長距離で行われた鈴鹿大会だが、今年は時期が5月でレース距離は300kmと、異なるシチュエーションでの戦いとなった。
開幕から連続で入賞しているものの、その速さからはやや物足りない結果が続く3号車「CRAFTSPORTS MOTUL GT-R」だが、この日の午前中に行われた公式練習では前半をドライブした本山哲がいきなりコースレコードを破るタイムをマークするなど、過去3戦の中で最も期待のもてる滑り出しを見せ午後の予選に挑んだ。
【予選】5月19日(土)天候:晴れ 路面:ドライ 気温:21℃ 路面温度:32℃(予選開始時)
■公式練習結果:6位 1’46.569R(本山)
■公式予選結果:12位 1’46.013R(千代)
この日の鈴鹿は朝から好天に恵まれたが、強風が吹き荒れ、面温度もなかなか上がらないトリッキーなコンディション。
GT300クラスのQ1で赤旗が出た影響から定刻より10分遅れの午後3時05分、GT500クラスの予選Q1がスタートした。
予選本番は15台すべてがコースレコードを更新するという、ハイレベルな攻防となった。
3号車のQ1を担当したのは千代勝正。15分間のセッションの中、マシンが動き出したのは残り時間10分を迎えるころだった。
千代は残り10分を切ったあたりでコースインすると、各チームが選んだタイヤ特性の違いによりウォームアップ周回が各マシン異なる中、計測2周とライバルたちよりもウォームアップに時間をかけ3周目にアタック。
1’46.013はこの時点で6位となり、まずはQ2進出圏内につける。
ところがこの後次々と3号車のタイムを上回るマシンが現れることになり、数分後には圏外へ。
3号車にはもう1周アタックのチャンスが残されていたがベストタイムを更新することができず、最終的に12位でQ1は終了。
予選上位進出の可能性をQ2の本山に繋げることはできず、ここで3号車の決勝グリッドは12番手に決定した。
■本山哲の予選コメント
「クルマの調子は走り出しからかなり良くてフロイントローくらいはいけそうな手ごたえだったし、実際クルマなりのタイムは出せたと思います。
しかしQ1ではライバル勢のタイムアップの幅が想定より大きく、あとコンマ1~2秒と微妙なところでQ2に残れず残念です。
レースは、天候が大きく左右する事が想定されますが、今日ほどの強風や悪天候の予報は出ていないので、マシンを当日のコースコンディションにしっかりと合わせ込み、チームと綿密な作戦を立てて積極的なレース戦略で挑みたいと思います。
後方からの追い上げとなりますが、必ずポイントを獲得できるように、一つでも上のポジションでレースを終えれるように頑張ります。
皆さん、応援よろしくお願いします!」
【決勝】5月20日(日)天候:晴れ 路面:ドライ 気温:21℃ 路面温度:34℃(決勝開始時)
■決勝結果:7位(52周)1h47’44.580(本山→千代)
この日の鈴鹿サーキットは風もおさまり、爽やかな初夏の陽気につつまれた。
第3戦決勝レースはサーキットの計時システムにトラブルが生じたことで、定刻より40分遅れの午後3時20分にスタートした。
12番手スタートの3号車は、本山がスタートドライバーをつとめた。
オープニングラップはスプリントレースらしからぬ静かな幕開けとなり、本山は12位をキープ。
前を狙えるペースはあったが、まずは落ち着いて11位の背後につけると、順位浮上のチャンスを待ち続けた。
そして8周目の1コーナーで本山にオーバーテイクのチャンスが訪れるが、その後GT300クラスの集団に追いついてからは中々チャンスに恵まれず、レース序盤は我慢の走りを強いられる事に。
そしてレースは14周目にセーフティカーが入ったことで、大きく展開を変えることになった。
マシン回収にかなりの時間を要することになり、リスタートは18周目終り。
この周回でスタートドライバーの最低周回数に達したことで、ここから数台が早めのピットインを行った。
3号車は前との差が最も詰まった19周目にピットインし、逆転を狙った。
この作戦は的中しピット作業も迅速だったことで、ドライバーを千代に代えた3号車は一気にポイント圏内の9位に浮上することになる。
さらにこの後、前2台にドライブスルーペナルティが出たことで38周目には7位。そこから6位~8位の3台による接近戦が繰り広げられることになる。
このとき3号車は、果敢に仕掛けていけば混戦から抜け出せ、もっと上の順位は狙えるだけのペースを持っていた。だが、早めのピットインだったことで燃料はギリギリの状況。
思い切った勝負を仕掛けることはできず、更に我慢のレースを強いられる。
そんな中、千代は最後まで順位を守り予選順位よりも5ポジションアップの7位でチェッカーを受けた。
3号車は開幕から3戦連続でポイントを獲得した。
■本山哲の決勝コメント
「ポジション的に序盤から混戦となってしまい、なす術がなかったというのが正直なところです。
抜きに行くチャンスもあったものの、次の瞬間には逆にGT300のクルマにつまってピンチになり、その中でペナルティを受ける可能性があるので無理もできないという難しい状況が続きました。
ペースは良かったのですが、混戦から楽に抜け出せるほどではなかったですね。
やはり予選でもう少し前に行っていないと、GT-Rのスピードを活かすことができません。
でもその中で、レース戦略、ピット作業とチームの総合力を発揮して7位という結果に結びつけられたのは良かったと思います。
次戦はもっとパフォーマンスを上げて、予選でのポジションアップ、そしてレースでは表彰台を争えるようチーム一丸となって頑張ります。
次のタイ戦も皆さん、応援よろしくお願いします!」
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2018 AUTOBACS SUPER GT Round2
「FUJI GT 500km RACE」REPORT
ゴールデンウィーク恒例のスーパーGT第2戦が、富士スピードウェイで今年も行われた。
今季GT500クラスにステップアップした3号車、
「CRAFTSPORTS MOTUL GT-R」はデビュー戦では予選3位、決勝7位入賞を果たし、チームのポテンシャルの高さを証明した。
第2戦ではいよいよ、表彰台の期待が高まる。
その第2戦は初日、イレギュラーな展開となった。
富士SWは未明からの悪天候に加え朝から深い霧に包まれ、午前中の公式練習は数度のディレイの末中止に。
そして監督ミーティングによりスケジュール変更が検討された結果、午後に30分間の練習走行を行った後、20分間の1セッションに短縮された予選が行われることになった。
【予選】5月3日(木)天候:雨のち晴れ 路面:ウエット/ドライ 気温:22℃ 路面温度:35℃(予選開始時)
■公式練習結果:8位 1’30.541(千代)
■公式予選結果:7位 1’28.571(千代)
午後12時50分から行われた練習走行で3号車は、予選でアタックを行う千代勝正のみが走行。
短い時間の中で予選に向けたセットアップとリハーサルを行い、午後3時40分にスタートする予選に備えた。
20分間1セッションという通常とは異なる形式で行われた今回の予選では、ほぼ全マシンが2セットのタイヤを投入し2回のランを行った。
3号車も千代がセッション開始からすぐにコースインすると、まずはファーストランに挑む。そして2周のウォームアップを経て3周目にアタック。
セッティングの時間が短く納得のいくところまで合わせこめなかったマシンながらマークした1’28.611は、この時点で2位となる。
だが今回の予選は15台のタイムがかなり拮抗することになり、トップとわずかコンマ2秒ちょっとしかなかった差がなかったにもかかわらず、3号車は6位でセッションを折り返すことになった。
ファーストランを終えピットインしタイヤを交換すると、3号車の千代はすぐにコースへと出た。
そして残り時間10分に対し前半と同じルーティンで3周目にアタックに入ると、ここで1’28.571とベストタイムを更新し、ひとつ順位を上げる。
ところがセカンドランでも同じく15台による拮抗したバトルが繰り広げられることになり、最終的に7位に後退し20分間のセッションは終了。
3号車はレースに4列目、7番手グリッドから挑むことになった。
〇本山哲の予選コメント
「クルマとタイヤの状況を考えた中ではベストな結果だったと思いますが、予選時の路面コンディションに対しては少しマッチしていなかったようです。
決勝では、コースコンディションと気温にクルマをアジャストしていけば、レースでは良い状態が作れると思います。
500KMの長いレースなのでマシンのセットアップ、タイヤのチョイスは勿論の事、レース戦略がポジションに大きく影響します。
ピットと連携を図り一つでも上の順位、千代と二人でしっかり走り切って表彰台以上を目指します。
皆さん、応援よろしくお願いします!」
【決勝】5月4日(金)天候:晴れ 路面:ドライ 気温:18℃ 路面温度:36℃(決勝開始時)
■決勝結果:10位(109周)2h52’04.862(千代→本山→千代)
迎えた決勝日の富士SWは朝から晴天となり、前日よりも気温、路面温度ともに上昇。
500kmに及ぶ長い戦いは、ドライコンディションの下で午後2時40分にスタートした。
2回のドライバー交代をともなうピットインが義務づけられたこのレース、ひとつ危惧されていたのが路面温度だった。
その路面温度は予想よりも高くなり、3号車はレース序盤から苦戦を強いられることになった。
レースはオープニングラップから、激しいポジション争いが繰り広げられた。
そんな混戦の中3号車のスタートドライバーをつとめる千代はコーナーでのポジション取りに恵まれず、8周目には14位まで順位を落とす。
しかし、そこから本来のペースを取り戻した3号車は18周目、19周目とひとつずつポジションを取り戻し、12位まで復帰。
タイヤを早めに交換するために35周目に1度目のピットインに入ると、次なる反撃は第2スティントの本山に託された。
全てのマシンが1回目のピットインを終えたのは40周目のこと。
3号車は12位で第2スティントをスタートさせた。そこから本山は猛然とプッシュ。
イレギュラーなスケジュールになったことで予選を走らない本山には前日、走行の機会が与えられずぶっつけ本番となったが、豊富な経験が速さを引き出した。
しかしベストラップをマークし速さを見せながらもペース自体は安定せず、ポジションを上げることはかなわなかった。
結局3号車は12位をキープしたまま79周目に2度目のピットイン。本山は再び千代にバトンを渡した。
そして第3スティントに入ると、3号車は息を吹き返す。この時に選択したタイヤが路面コンディションに対して良いパフォーマンスを発揮。
78周目にベストラップを大幅に更新すると、その後も速さをキープし続けた。
だが時すでに遅く、ラップダウンしてしまっていたこともあって反撃は届かず。
しかしその後3号車は、レース終盤に2台がトラブルで脱落したことで得た10位を守りチェッカー。かろうじて1ポイントをもぎとることに成功した。
〇本山哲の決勝コメント
「予選日に走れなかったので正確に比較はできませんが、第2スティントのタイヤの状況は悪くなかったと思います。
しかしピークのラップタイムは速かったもののアベレージでその速さをキープすることができず、ポジションアップを目指してずっとプッシュしていたにもかかわらず、流れを変えることが出来ず残念でした。
第3スティントでは本来の速さを取り戻せたと思いますが、レースウィークを通して本来のパフォーマンスを引き出せなかったところが今回の課題となりました。
次戦まで限られた時間ですが、今回のデータをチームと共に分析して次のレースでは結果を残せるように改善していきます。
鈴鹿は好きなコースですし、テストでも好感触を得ているので、しっかりと準備して表彰台を狙えるレースをしてみせます。
チームとしては2戦連続でポイントを取れたので、鈴鹿ではさらに多くのポイントを獲得しチャンピオンシップの上位を目指します。
次戦も応援よろしくお願いします!」
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2018 AUTOBACS SUPER GT Round1
「OKAYAMA GT 300km RACE」REPORT
2018年4月7日(土)-8日(日)、スーパーGT2018シーズンが岡山国際サーキットで幕を開けた。
今季、本山哲はGT300クラスで数々の実績を誇る、B-Max Racing Teamから、3号車「CRAFTSPORTS MOTUL GT-R」として心機一転の参戦。
名将、長谷見昌弘監督のもと、チームはオフの間にデビューイヤーの準備をしっかりと整え、またパートナーはここ2年共に戦ってきた千代勝正ということで、開幕から上位で戦っていける確かな感触を持っていた。
【予選】4月7日(土)天候:曇り時々雨 路面:ドライ/ウエット 気温:9℃ 路面温度:15℃(予選開始時)
■公式練習結果:12位 1’20.400(本山)
■公式予選Q2結果:3位 1’27.486(本山)
3月半ばから全国的に異例の暑さが続いているというのに、この日の岡山は真冬さながらの寒さとなった。
午前9時から行われた公式練習は想定外となる低い路面温度の下でスタートし、さらに後半には雨。
3号車はこのためドライ、レインいずれもセッティングが不十分な状態のまま、午後の予選に挑むことになった。
開幕戦のGT500クラス予選Q1は午後15時05分にスタート。タイヤを温め難い状況のためか、多くのマシンが早めに動き出す。そんな中、3号車のQ1を担当する千代は比較的遅めとなる残り8分の時点でコースイン。
3周のウォームアップを経て4周目にアタックに挑むが、タイヤは完全には温まり切っておらず、1’19.123をマークしQ2進出圏内につけるもライバル勢がこれを上回る。
だが千代は翌周のアタックでそこからコンマ5秒以上更新する1’18.605 をマークし、再び6位に浮上することに成功。
開幕戦のグリッドはQ2を走る本山に託された。
GT500クラスの予選Q2は、Q1後に突如降り出した雨が上がったばかりという、非常に難しいコンディションで幕を開けた。開始からすぐに8台中7台がコースインし路面を確認、タイヤ交換のためにアウトラップ後ピットインするマシンも数台でるなど、各車に迷いが感じられた。
そんな中、3号車の本山は同じウェットタイヤで走り続け、終始タイミングモニターのトップにつけてみせる。4周目にベストタイム1’27.486をマークした時点では、ポールは決まりかと思われた。
しかしその後2台が僅差でこれを上回る。難しい路面状況の中、本山は更にもう1周アタックに挑むもベスト更新はならず。
惜しくも開幕ポールを逃すことになった。だがQ1から3つ順位を上げ、開幕戦のレースを表彰台圏内からスタートさせることに成功。3号車にとっては、まずまず幸先のよいシーズン初日となった。
■本山哲のコメント
「今年は環境が変わることになりましたが、良いチーム体制ができたので開幕戦ではしっかり結果に繋げたいと考えています。
クルマの開発も去年後半からオフの間さらにいろいろなチャレンジを行い、戦える準備は整っています。
予選Q2ではタイヤのウォームアップがカギを握ると考え早めにコースインしたのですが、路面の水の量が思ったより減ってきて、最後のアタックは厳しい状況でした。
でも全体的には良い予選だったと思います。
ポールを獲りたかったというのが正直なところですが、レースに向けては良いポジションを獲得できたと思います。チームのモチベーションも高く、決勝ではこのポジションはもちろん、優勝も狙えると思っています。
応援よろしくお願いします!」
【決勝】4月8日(日)天候:晴れ 路面:ドライ 気温:14℃ 路面温度:21℃(決勝開始時)
■決勝結果:7位(82周)1h56’13.743(本山→千代)
前日に続き岡山はこの日も午前中こそ不安定な天候となりサポートレースでは急に降ってきた雨により混乱が起きたが、午後になると落ち着き、午後2時40分からのレースは晴天の下、ドライコンディションでスタートした。
GT500のデビュー戦を3番手という好位置からスタートさせる3号車は、本山が前半スティントを担当した。
そしてスタートでは新スタート方式で周りが混乱したのかイン側で前につまるかたちになり、3号車はオープニングラップから2台に先行を許すという苦しい展開を強いられたが、ここで作戦を変更。
スティント序盤はタイヤと燃料をセーブし、後半プッシュすることで挽回を図ろうとする。その作戦変更は奏功することになった。
3号車は15周目あたりから徐々にペースを上げていくと、ジャンプスタートで前の2台がドライブスルーペナルティを取られたことで25周目には4位に浮上。
さらに27周目には3位に5秒差、32周目には3秒差、34周目には2秒差、35周目には1.7秒差と追い詰めていった。3号車は38周を終えたところでピットイン。表彰台圏内再浮上は、後半スティントを担当する千代に託された。
ところがここでタイヤ無交換作戦のマシン2台に先行を許すかたちとなり、3号車は6位に後退しコースへと復帰。さらに千代はタイヤのピックアップに悩まされることになり、なかなかペースが上げられない。
混戦の中に入ってしまった3号車はしばらく我慢の周回を続け62周目には一時9位まで順位を下げてしまうことになった。
だがここから千代が粘りを見せ、7位まで順位を戻しチェッカー。
チームの新たな挑戦となるGT500クラスデビュイヤーを、まずまずの結果でスタートさせることになった。
■本山哲のコメント
「スタートの混乱に巻き込まれ順位を落としたことにより、予選のポジションを活かす事が出来ず序盤は厳しいと展開となりました。
しかしそこからは、タイヤと燃料を上手くセーブしてスティント後半にプッシュし、トップまで約2秒差の所まで挽回することができました。
新体制で迎えた初戦、千代と二人でチームやマシンのパフォーマンスに応えるべくドライビングに集中しましたが、結果的にあと一歩攻めきれなかった事が反省点です。
でもその中で、チームのGT500でのデビュー戦でしっかりポイントを獲得できたのは良かったと思います。
これからも引き続き上を目指していって、次戦では表彰台以上の成績で終えたいと思います。
みなさん、次の富士も応援よろしくお願いします!」
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2017 AUTOBACS SUPER GT Round8
「MOTEGI GT GRAND FINAL」REPORT
スーパーGTはツインリンクもでぎで2017年シーズン最終戦を迎えた。
今季のニッサン勢は開幕戦こそ劣勢で有ったものの、その後は着実に戦闘力を上げ、46号車「S-Road CRAFTSPORTS GT-R」は第3戦で予選2位、第4戦では決勝2位を獲得。
しかし中盤はトップを争える速さを見せながらも結果に恵まれず、最終戦を前にチャンピオンの権利を失うことになった。
この最終戦では、ポテンシャル通りの結果をしっかりと出すことがチームの目標となった。
【予選】11月11日(土)天候:晴れ 路面:ドライ 気温:17℃ 路面温度:22℃(予選開始時)
■公式練習結果:13位 1’38.418(千代)
■公式予選結果:Q1 1位 1’37.224(千代) Q2 4位 1‘37.530(本山)
この日のもてぎは爽やかな秋晴れに恵まれ、午後になると気温、路面温度ともに上昇。この時期らしからぬコンディションの下、午後2時20分より予選Q1がスタートした。
午前中の公式練習でセットアップに苦戦したことからベストタイムはクラス13番手とやや出遅れていた46号車だが、本番ではきっちりと修正し従来の速さを発揮することになった。
15分間のQ1セッションの中、各マシンは残り9分となってから動き出した。
千代勝正を乗せた46号車は残り8分となってからコースインすると、2周のウォームアップを経て最後の1ラップでアタックを敢行。他のマシンもほぼ同様の戦略を採り、チェッカー前後で順位は目まぐるしく変化する。
そんな中、1’37.224をマークしトップに躍り出たのが46号車だった。その後数台が接近するタイムをマークしたが46号車には届かず。46号車は堂々トップでQ2へと駒を進めた。
午後3時05分よりGT500クラスのQ2がスタート。
Q2のアタックを担当する本山哲は残り8分となってからコースインすると、Q1と同じく2周の間にしっかりとタイヤを温め、ラスト1周に賭ける。本山もこのとき、午前中からバランスが改善されていたマシンに好感触を持っていた。
そして午前中セットアップに時間を費やしたことでリハーサル不足だったながらも1’37.530の好タイムをマークし、46号車は予選4位を獲得。
レースをセカンドローの高位置からスタートすることになり、今季2度目となる表彰台獲得の期待を膨らませた。
■本山哲のコメント
「午前中はセットアップがうまくいっていなかったのですが、インターバルの間にチームが頑張って修正してくれたおかげで、午後の予選では従来のスピードが戻り、良いアタックができたと思います。
その中で千代はQ1で頑張ってトップを獲ってくれましたが、自分は午前中にあまり走れてないかったこともあり、ちょっと攻めきれませんでした。
とは言えセカンドローの好ポジションにつけることができたので、レースは上位で戦えると思います。タイヤに関しても、かなり良い感触があります。
今季はチャンスがありながらミスなどで結果が出なかったことが多かったので、最後は表彰台、そして優勝に向けしっかりとレースがしたいと思います。」
【決勝】11月12日(日)天候:晴れ 路面:ドライ 気温:20℃ 路面温度:24℃(決勝開始時)
■決勝結果:6位(53周)1h32’05.438(千代→26周→本山)
■2017シリーズランキング12位(2位1回)
シリーズファイナルを迎えたもてぎは前日同様の秋晴れに恵まれ、大勢のファンの声援を受けながら絶好のコンディションの下で第8戦決勝は行われた。
最終戦のセレモニーを終えた午後1時30分、パレードラップ、フォーメーションラップを経て今季最後の戦いの火ぶたは切られた。
4番グリッドから今季2度目の表彰台を狙う46号車の、第1スティントを担うのは千代。
スタートで4位をキープした46号車は前日の予選同様のパフォーマンスで3位に迫ると序盤から積極的に仕掛けていくが、オーバーテイクの難しいモテギ、なかなか突破口を見つけられず、序盤は目が離せぬ白熱した一進一退の攻防となった。
しかし10周を前に上位陣のトラブルにもたすけられ3位と、早くも表彰台圏内に浮上。
その後も安定してハイペースで走り続けた46号車は、上位陣のなかではやや長めのスティントを消化し、3位のまま26周目にピットイン、第2スティントを担当する本山にバトンは渡された。
ところが26周目は上位勢の中では最も遅いピットインとなり、結果的にあまり良いタイミングではなかった。そのため46号車は6番手まで順位を落とし第2スティントをスタートさせることになるが、46号車のペースは変わらず速く、再び表彰台圏内へ浮上する可能性を感じさせた。
常にバックマーカーをかわしながらとなるレース後半を、安定したペースで走り続けることは決して簡単ではないが、そこは百戦錬磨の本山、そんな中でもベストラップを更新しながらハイペースで前をプッシュ。
5秒以上あったギャップは残り5周の時点で1秒にまで縮めると、その翌周にはロックオン状態へと持ち込んでみせる。
僅かな残りの周回を激しくプッシュする本山であったがオーバーテイクを成功させるには至らず、46号車は5位にコンマ3秒差の6位で53周をフィニッシュ。
期待された今季2度目の表彰台はかなわなかったが、クルマとドライバーの速さを大勢のファンに印象づけ、シーズンを終えることになった。
■本山哲のコメント
「ピットインのタイミングを遅らせたことで、結果的に表彰台を逃してしまったことは非常に残念でとても悔しいですが、そのほかのレース内容は良かったと思います。
レース時のパフォーマンスやラップタイムも、満足できるものでした。最後は追いつくためにタイヤを使ってしまったことで、あれ以上は行けなかったですね。
今シーズンは、良い状況にありながらも結果に結びつけられないことが何度もあり、とても悔しいシーズンとなりました。
しかし、ミシュランタイヤはシーズンを通して満足のいく良いパフォーマンスを発揮してくれましたし、シーズン中の限られた期間にニスモ、チームもどんどん車両の開発を進めてくれたおかげで、ここまで戦える状況にしてくれました。
最終戦ではその成果を充分発揮できたと思います。
最後になりましたが、ファンの皆さんこの1年間の応援ありがとうございました!
またシーズン通してご支援を頂きました関係者の皆さん全てに心より御礼を申し上げます。」
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2017 AUTOBACS SUPER GT Round7
「Chang SUPER GT RACE」 REPORT
真夏の3連戦を終えたスーパーGT2017シーズンは、約1カ月半のインターバルを経てタイのチャン・インターナショナル・サーキットで第7戦を迎えた。
第4戦SUGOで2位を獲得し波に乗るかと思われた46号車「S-Road CRAFTSPORTS GT-R」だったが、その後2戦はノーポイント。
今回のブリラムは、過去3回の開催の中でポール1回、優勝1回と46号車にとって相性が良いことで流れを再び引き戻すチャンスだ。
そして土曜午前中の公式練習ではクラストップと、絶好の週末スタートを切ることになった。
【予選】10月7日(土)天候:曇り 路面:セミウェット 気温:27℃ 路面温度:29℃(予選開始時)
■公式練習結果:1位 1’24.210(千代)
■公式予選Q2結果:14位 1’32.023(千代)
朝のスコールで濡れた路面は公式練習中にドライへと回復していたが、この日のブリラムの天気は不安定で、午後のピットウォーク時には再び雨が降りはじめる。
その後雨は上がったものの路面は乾かず、午後3時20分からの予選Q1はウェット宣言が出されることになった。
路面状況は乾いていく方向だったが、セッション中にまた雨が降るとの情報もあったことから全マシンが開始からウェットタイヤでコースイン。
46号車は千代勝正がQ1に挑んだ。開始早々にやはり雨は降り始め、各マシンは早めにタイムを出しておこうと積極的にアタックを繰り返す。
コース上が混雑する中で千代も計測2周目にアタックを行った。しかしトラフィックに遭いタイムは1’32.023に留まる。その後2周を走行するもこれを更新することはできず、2セット目のタイヤに交換するためにピットインした。
路面が乾きかけていたことで最もドライ寄りのウェットタイヤで再びアタックに挑んだ46号車。
計測2周目にセクター1、2ともに自己ベストをマークすることに成功するもセクター3の縁石でスピンを喫し、惜しくもベストタイムの更新ならず。
ドライ路面では絶好調の46号車だったがウェット路面には手こずることになり、結果は14位。Q2での本山哲の出番はなく、予選を終えることになった。
●本山哲の予選コメント
「ウェットかドライか、刻々と微妙に変化する難しい状況の中、マシンとタイヤを上手くこの路面コンディションに合わせることができませんでした。
46号車にとって相性の良いコースであり、自分自身も予選に向けてはかなりポテンシャルを感じていただけに非常に残念です。
決勝の天気がどうなるかわかりませんが、ドライであればもちろん14位スタートであっても上位に浮上できる自信はありますし、今日のような不安定な天気になったとしてもチーム力でカバーして追い上げるレースをしてみせます。
皆さん応援よろしくお願いします!」
【決勝】10月8日(日) 天候:晴れ 路面:ウェット/ドライ 気温:30℃ 路面温度:36℃(決勝開始時)
■決勝結果:10位(65周)1h42’49.870(本山→千代)
終日天候が不安定だった予選日とは異なり、決勝日のブリラムは朝から好天に恵まれた。
ところが午後3時の決勝スタート直前になると突如上空に雨雲が現れ、激しい雨が落ちてくる。
グリッド上で各マシンは、急いでドライタイヤからウェットタイヤへの交換作業を行った。
だがフォーメーションラップが開始される前にはその雨はやみ、上空には再び青空が広がりはじめる。
各マシンがタイヤ選択に悩む中、レースはセーフティカー先導でスタートした。
46号車はレインタイヤをチョイスし、本山がスタートドライバーを務めた。
レースは3周目にリスタート。
前日の公式練習でトップタイムをマークし優勝候補筆頭といわれながら14位と不本意なグリッドからスタートすることになった46号車は、レインタイヤ選択という正攻法でスタート。第1スティントを担当する本山はリスタート1周目に11位までポジションを上げた。
刻々と乾いていく路面を正確に読み取りドライタイヤが有利となるタイミングを伺う。
そして46号車はいち早く10周を終えたところでピットイン。ドライバーを代えないまま、タイヤをスリックに交換し再びコースへと戻った。
このタイミング以降、他のウェットスタートの上位マシンも次々とピットインしドライタイヤに交換。
開始から10数周で完全にドライのレースとなったことで、ここから本山の追い上げに期待がかかった。
46号車の戦略はこのままタイヤ交換なしでチェッカーまで走り切る作戦だったが、路面状況に対してマッチしないのか、本山はラップタイムを思うように上げる事が出来ない。
この状況を打破するために予定より早めの31周目にピットイン。ドライバーを千代に代え、再びタイヤ交換を行った。
この予定外のタイヤ交換がタイムロスに繋がり、千代は12位から第3スティントをスタートさせることになった。コースに復帰後、千代はペースを取り戻しここから前を追うレースへと転じる。57周目に1台をかわし11位とすると、入賞圏内の10位に向けさらに猛プッシュを開始、徐々に先行するマシンとの差を縮める。
しかし結果的にオーバーテイクには至らなかったが、残り2周の時点で上位マシンが離脱したため46号車は10位でチェッカーを受け、3戦ぶりのポイントを獲得した。
●本山哲の決勝コメント
「公式練習時のドライでの速さをレースに活かす事が出来ず残念な結果となりました。
このレースウィークは、セッションごとに変わる路面状況にマシンを上手く合わせこめなかった。
決勝は路面状況を見ながら早めのピットインを行い、ドライタイヤは交換なしで走り切る事を一つの選択肢としてウェットタイヤでスタートしたのですが、選んだタイヤがコンディションとマッチせず、2セット目のスリック投入となりタイムロスしたのが痛かったです。
作戦通りに行けばもう少し上の順位で終えることができていたと思います。
これでシーズンの残りは最終戦のみとなりましたが、ラストチャンスをものにできるよう頑張ります。
11月のもてぎも皆さん、応援よろしくお願いします!」
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