2017 AUTOBACS SUPER GT Round6
「INTERNATIONAL SUZUKA 1000km」REPORT
スーパーGT2017シーズンは、真夏の3連戦のラストを飾る鈴鹿1000kmを迎えた。
獲得ポイントが他のレースより多いことでチャンピオンシップにおける重要度はより高くなるこの一戦、昨年はレギュラードライバーの千代勝正を欠きながらも3位表彰台を獲得している、46号車「S-Road CRAFTSPORTS GT-R」は今回も活躍が期待される。
そしてもうひとつ、「鈴鹿1000km」は今年で最後になるが、ここまで数々の輝かしい実績を誇る本山哲が、唯一GT戦で未勝利なのが鈴鹿であり、本山にとってはその思いはさらに強い。
前戦の富士でクルマのセットアップに終始悩み続けたことで状態が危惧された46号車だったが、土曜日午前中の公式練習では序盤から順調にセットアップを進め、占有時間帯の予選シミュレーションでは千代が3位のタイムを記録。
悲願に向け上々の滑り出しを見せた。
【予選】8月26日(土)天候:晴れ 路面:ドライ 気温:37℃ 路面温度:40℃(予選開始時)
■公式練習結果:3位 1’48.678(千代)
■公式予選Q1結果:3位1’47.588(千代)Q2結果:5位 1’47.977(本山)
猛暑がぶり返したこの週末、鈴鹿も朝からかなり気温は高くなった。そのピークを若干過ぎた午後2時55分にGT500クラスのQ1が開始。ドライバーは千代がつとめた。
暑さとの戦いにおいてタイヤマネージメントがより重要になる今回、予選ではなるべく決勝に向けタイヤを温存するために動き出しは遅く、すべてのマシンがコースインしたのは残り8分となってから。
そこから各マシン1周もしくは2周のアタックに挑み、雌雄は決せられることになった。
46号車の千代はアウトラップから1周目のウォーミングアップラップの後アタックに入ると、セクター1、2、3と立て続けに最速をマーク。
最後のシケインでややミスを喫するもトータル1’47.588で見事トップへと浮上する。
この後2台がわずかコンマ01秒上回り、46号車は最終的に3位でQ2進出を果たした。
Q1終了からGT300クラスのQ2をはさみ、午後3時40分よりGT500クラスのQ2がスタートした。
Q1同様開始からなかなか動かない8台は12分中残り8分となったところでまず3台がコースインすると、その1分後に本山を乗せた46号車を含む5台がコースイン。
1周のウォームアップラップをはさみ、アタックに挑む。そしてQ1の千代と同じく、本山もセクター1、2,3と最速を刻むとトータル1’47.977でトップに躍り出る。
だがQ1時に比べ路面温度が下がったことで、これは万全のアタックとはいかなかった。
鈴鹿1000km最後のポールシッターをめぐる戦いは、ここからさらにヒートアップ。
4台が47秒台に入れてくることになり46号車は僅差ながら5位へと後退、レースは5番グリッドより長い戦いに挑むこととなった。
■本山哲の予選コメント
「前回の富士での問題も改善され、今回はクルマもタイヤも暑い中での1000kmレースに向け良い状態で準備できました。
予選はQ1と比べQ2では路面温度が下がったことで、アタック自体はまずまずだったもののタイヤのグリップが少し足りなかった。
でも決勝に向けては良いタイヤを選べている自信があります。今回は優勝したいという気持ちがいつも以上に強いし、良いアベレージで走れれば必ずポジションを上げていけるはずなので、長い距離をしっかりと走っていきたいと思います。
皆さん応援よろしくお願いします!」
【決勝】8月27日(日) 天候:晴れ 路面:ドライ 気温:30℃ 路面温度:47℃(決勝開始時)
■決勝結果:14位(155周)5h52’01.344(千代→本山→千代→本山→千代→本山)
真夏の三連戦のラストを演出するかのように週末ぶり返した夏の暑さは、この日も鈴鹿サーキットを包んだ。
2年連続表彰台、そして今季初勝利を目指し5番グリッドからスタートする46号車「S-Road CRAFTSPORTS GT-R」は、レース前のウォームアップランでも4位のラップタイムを記録。好調を維持しスタートグリッドについた。
長丁場のレースらしく、スタートは静かに切られた。いつものようなオープニングラップでの激しい順位争いは見られず、46号車のスタートドライバーをつとめる千代は5位をしっかりとキープ。
4位と約1秒差を保ちチャンスを待った。しかし5周目あたりからトップのペースが落ち、次第に上位6台は接近戦へともつれ込む。
さらにGT300クラスがからみ始めるとそこから、まるでスプリントレースさながらのバトルへと様相は変わった。
ペースが安定していた46号車は13周目、シケインで1台をオーバーテイクし4位に浮上。
そこから2位、3位、4位の3台は超接近戦に突入しGT300クラスのマシンがからむたびにバトルが仕掛けられる。
15周目のデグナー先では完全に3台が重なる状況となり、ここは46号車にとっては一気に2位へと浮上するチャンスだった。
ところがヘアピンの立ち上がり加速が良かったことで3位のクルマをインから抜こうとした際、先行する3位と2位のマシンも激しいポジション争いを展開、イン側に寄ってきたことで46号車のラインを塞がれコースの外に押し出されてしまう。
バリアに接触しリアウィングを破損した46号車は修復のために緊急ピットイン。紙一重の攻防は思わぬダメージを46号車にもたらすことになった。
修復作業にはかなり時間を要することになり、本山にドライバーを代えた46号車は17周遅れでコース復帰。
戦列に戻れる可能性はほぼなかったが、残り周回はまだ約150周。諦めるわけにはいかなかった。
レースはその後、中盤から後半にかけ波乱が頻発し順位は目まぐるしく変化した。そんな中、本山は最終スティントまで猛プッシュを続ける。
レースラップはトップと遜色のなく好タイムで周回を重ねた。レースの勝負権は消滅したとはいえ本山と千代はチェッカーまで諦めないハイペースを維持し続け、最下位からひとつ順位を戻し14位でフィニッシュした。
■本山哲の決勝コメント
「クルマもタイヤも今回かなり調子が良く、優勝する手ごたえも自信もあって良い状況だった中、序盤のアクシデントで権利を失ってしまったのはとても残念でした。
千代もわずかなスキを攻めた結果、2位に上がれるチャンスでもあったわけで千代の心境もよく分かりますが、長いレースなのでじっくり行けなかった事は反省点です。
でもそんな中、中盤から後半までずっと速いペースを維持できたという、今後に向けてのポジティブな要素があったのも確か。
修復後はチェッカーまで良いペースで走り続けられたのは次戦に向けて大きな収穫となりました。
今年最後の、「鈴鹿1000Kmレース」を楽しみに見に来て頂いたファンの皆さんの期待に反するレース展開になって残念です。
ですが次のタイ戦は、初年度にポールポジション、そして2015年には優勝と相性の良いサーキットなので、必ず皆さんの期待に応えるレースをお見せします。
気持ちを切り替えて、千代とチーム一丸となって残り2戦も優勝を目指して全力で頑張ります。
皆さん、応援よろしくお願いします!」
motoyama.net
S-GT RD6レポート
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