2015 AUTOBACS SUPER GT Round3
「BURIRAM UNITED SUPER GT RACE」 REPORT
スーパーGTシリーズ年に一度の海外ラウンドが、今年もタイのチャン・インターナショナル・サーキットで開催された。
初開催だった昨年と同様、今年も多くのファンが来場。
昨年の大会では記念すべき初ポールを奪った上レースの大半を支配し、最速を印象づけたのが46号車「S-Road MOLA GT-R」だった。
今年、開幕からの2戦でまずまずのパフォーマンスを披露していることもあり、今回46号車の優勝を予想する関係者は多い。
チームももちろん、昨年のリベンジと今季初優勝を果たすことが使命であることを強く意識していた。
6月20日(土) 天候:晴れ 路面:ドライ 気温:36℃ 路面温度:58℃(予選開始時)
■公式練習結果:1位 ベストタイム1’25.502(本山)
■公式予選結果:3位 Q2タイム1’25.322(本山)
乾季から雨期にさしかかる時期とあってスコールの予報もあったが、結局この日は雲ひとつない好天に恵まれた。
強い日差しがコースを照らしつけ、公式練習が始まった午前10時の時点で早くも路面温度は45℃となる。
昨年は金曜日に練習走行が行われたが、今回はこの土曜日の公式練習が走り始め。セッションがスタートした時から常にタイミングモニターの上位につけていた46号車は、セッションが折り返しを過ぎたところで本山哲が1’25.502をマークしトップに立つ。
その後チームは決勝本番に向けたセットアップを進めることになりこれ以上のタイム更新はならなかったが、
このタイムを上回るマシンは最後まで現れず、最終的にこのセッションのトップは46号車。まずは最高の滑り出しを見せた。
その後、午後3時より公式予選が開始された。青空が広がり厳しい日差しを遮るものは何もなく、気温も路面温度も公式練習時よりさらに上昇。
Q1のスタート時点で路面温度は58℃に達していた。これがマシンのフィーリングに微妙に影響したのだろうか、公式練習でトップ4を独占していたGT-R勢は、Q1で思わぬ苦戦を強いられてしまう。
そんな中46号車は柳田真孝が出走し、ナーバスになったマシンを巧みにコントロール。渾身のラストアタックで1’25.866をマーク、その結果7番手でQ2の本山に繋ぐことに成功した。
柳田からマシンを引き継いだ本山もマシンのフィーリングの変化に戸惑ったものの、そこは百戦錬磨のベテラン。そんな場合のコントロール術には誰よりも長けていた。本山はQ2スタートから約4分後、真っ先にアタックを開始すると周回毎にタイムアップ。4周目には公式練習時のベストタイムを上回る1’25.322をマークしトップに立つ。
その後2台が僅差で46号車のタイムを上回り、本山も逆転ポールを賭け再度アタックに挑むがベストタイムの更新はならず。
期待されたタイでの2年連続ポールを逃したが、3番手で予選を終えた。
●本山哲の予選コメント
「公式練習の時点では正直、確実にアドバンテージがあると思っていました。でも午後はコンディションが大きく変わってしまいました。
そんな状況の中、柳田がキッチリと繋いでくれたので何とかポールを獲りたかったのですが、路面温度が10℃以上も高くなったことでマシンのフィーリングが変わり酷いオーバーステアに。
その状況を思えば、3番手はそんなに悪い結果でもないでしょう。
決勝は自信があるので、早めにトップに立って有利な展開に持ち込みたいと思います。」
6月21日(日) 天候:晴れ 路面:ドライ 気温:37℃ 路面温度:50℃(決勝開始時)
■フリー走行結果:1位 1’26.517(本山)
■決勝結果:1位(108周)1h38’26.734(本山→柳田)
前日に比べると少し雲が多かったが、決勝日もサーキットは好天。午前9時50分から行われたフリー走行は、トップから最下位までのタイム差が約コンマ8秒という接戦ぶりとなった。その中で僅差ながらトップタイムをマークしたのが46号車の本山。
3番手という好位置からのスタートに加え公式練習時の速さとフィーリングが戻ってきたことで、チームは今季初優勝に向け大いに力づけられた格好となった。
決勝は午後3時にスタート。3番グリッドの46号車のスタートドライバーをつとめた本山は、オープニングラップから2位のマシンに対し猛プッシュを敢行。ペースは明らかに46号車の方が上回っていた。
4周目に早くも2位を攻略しひとつ順位を上げるとさらに、3秒先を走るトップのマシンに迫る。トップのマシンに対してもこの日の46号車と本山のペースは完全に勝っていた。
そして2台のギャップはどんどん削られていき19周目、ついにはテール・トゥ・ノーズのバトルへと発展する。ここから2台は10周にわたる熾烈なバトルを繰り広げるが、軍配は46号車の本山の方に上がった。
29周目にトップに立った本山はその後一度抜き返されるも、再度34周目にトップ返り咲く。そして3周後のピットインで、接戦のトップ争いに終止符が打たれることとなった。
46号車は37周目にルーティンのピットインを行うと、2位のマシンを約4秒上回る素早いピットワークでタイム差を広げる。5秒差をもってセカンドスティントをスタートさせた柳田は集中力を切らすことなく周回を重ね、トップを独走し続けた。そしてノントラブルで46号車はそのまま66周のレースを走りきりトップでチェッカー。
チームとしては3年ぶり、本山にとっては2011年の最終戦以来、またチーム移籍後初という記念すべき優勝を飾ることとなった。
また本山はこれで通算勝利数を16に伸ばし、再び歴代最多勝利ドライバーへと返り咲いた。
●本山哲の決勝コメント
「チームを移籍して初、ミシュランタイヤでも初、個人的にも久々の優勝ということで、本当に嬉しいです。このサーキットでは去年、すごく調子が良くてトップを走っていたのにトラブルで勝ちを逃してしまっていたので、今年必ずリベンジを果たそうという思いで週末を迎えました。
なるべく引き離した状態で柳田にバトンを渡そうとスタートからプッシュした結果、思ったほどマージンは稼げなかったけど、チームスタッフの完璧なピットワークのおかげで良い展開に持ち込めました。
これで通算勝利数は再びトップに並ぶことになりましたが、そんなことよりもとにかくこのチームで、柳田とのコンビでチャンピオンを獲りたいという気持ちの方が強いです。
移籍後、優勝まで4シーズン掛かってしまいましたが、常に応援してくれるファンの皆さんや、レースをサポートしてくれている全ての方々に心より感謝します。
次戦もプッシュして、チャンピオンを目指して頑張ります。皆さん、第4戦の富士も応援よろしくお願いします!」
motoyama.net
S-GT RD3レポート (2)
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