2015 AUTOBACS SUPER GT Round2
「FUJI GT 500km RACE」 REPORT
スーパーGT2015シリーズ、迎える第2戦はゴールデンウィーク恒例の富士スピードウェイ500kmレース。
開催の2日間はいずれも晴天に恵まれ両日で過去最高の91,500人を動員するなど、大いに賑わった。
開幕戦では展開に恵まれなかったものの決勝で10位スタートから一時3位に浮上するなど、今季もスタートからポテンシャルの高さを見せている46号車「S-Road MOLA GT-R」。
GTR勢はこの富士で3月に行われたメーカーテストでも好調だっただけにファンは皆、活躍を期待した。
【予選】5月2日(土) 天候:晴れ 路面:ドライ 気温:25℃ 路面温度:39℃(予選開始時)
■公式練習結果:3位 ベストタイム1’28.936(柳田)
■公式予選結果:9位 Q1タイム1’28.973(柳田)
46号車の調子の良さは、この日の走り出しから見えていた。午前8時50分から行われた公式練習ではまず、本山哲がコースインし持ち込みセットアップを確認すると、その後の計測でリザルトのトップに躍り出る。この1’29.074というタイムは、セッション中盤まで破られなかった。
セットアップが煮詰まっていった後半は柳田真孝がコースイン。柳田は最後にベストタイムの1’28.936をマークし、46号車は3位でこのセッションを終えた。
すっかり夏を感じさせる陽気となったこの日の富士。路面温度は39℃と、例年のこの大会よりもかなり上昇した中、決勝のグリッド順を決める予選が行われた。
予定より6分遅れの午後2時41分にGT500クラスのQ1はスタート。Q2進出8台を賭けたQ1では、46号車は柳田がアタッカーをつとめた。
15分間のセッションの中、前半はいずれのマシンもアタックを控え、残り8分となったところで1台が動き出すと次々と各マシンがコースイン。
46号車は15台中、3番目にアタックに入る。そしてチェッカーまで全マシンが連続でアタックし続け、いずれも周回を追う毎にタイムアップ。
終盤は、コースレコードが連発するデッドヒートが繰り広げられた。
そんな中46号車は1’28.973をマークし6位に浮上するも、ラストアタックでは惜しくもタイムを伸ばすことができず、結果的に9位でQ1を終了。
開幕戦に続き、Q2に出走予定だった本山はアタックのチャンスを失った。46号車の決勝グリッドは、この時点で9番手となった。
●本山哲のコメント
「マシン自体の仕上がりは非常に良かったものの、予選に関してはタイヤとセッティングがやや合っていなかったようです。
開幕戦もQ2に進出できなかったし、予選に関しては課題が残る結果となりました。
でも今回のレースは距離が長く路面もドライでいけそうなので、レースペースが速い46号車のポテンシャルがきっといい結果を生んでくれるはず。
110周のレース、最後まであきらめず表彰台を目指して追い上げます。」
【決勝】5月3日(日) 天候:晴れ 路面:ドライ 気温:25℃ 路面温度:39℃(決勝開始時)
■フリー走行結果:7位 1’30.697(本山)
■決勝結果:10位(108周)2h56’34.519(本山→柳田→本山)
前日に続き晴天となった富士スピードウェイ。雨の増減に左右された開幕戦とは異なり500kmの長丁場で力と力の勝負が繰り広げられると予想がなされる中、46号車の上位フィニッシュの期待はさらに高まることとなった。
朝のフリー走行でも46号車の調子は良好。2ピット義務づけというルールで行われる第2戦の決勝、46号車は本山がスタートドライバーをつとめた。
午後2時15分、予定通り決勝のフォーメーションラップが開始された。
まずは上位との差がつまっているうちに本山がどこまで追い上げられるかが焦点となるレース序盤、46号車はオープニングラップで他車と接触。
この接触に対しドライブスルーペナルティが課せられ、14位まで後退。46号車にとっては予想外の苦しい出だしとなる。
だが次の展開は逆に、46号車に味方した。9周目に1コーナー付近にオイルが撒かれたことでスピンするマシンが連続し、セーフティカーが導入。
そこまでの上位とのタイム差は、一気に縮まった。
これによってレースペースに勝る46号車は、息を吹き返す。15周目にレースがリスタートとなると、本山は怒涛の追い上げを開始。
16周目に一気に2つポジションを上げるとその後もペースを緩めず19周目10位、21周目9位、22周目8位、27周目7位、32周目6位。
このときの本山のペースは、トップをも凌ぐものだった。そして、やや差のあったかに見えた5位にもわずか1周で追いつき鮮やかにパス。
約1/3の周回を消化した時点で5位にまで順位を押し上げ、さらなる躍進を期待させた。
39周目に最初のピットインを行なった46号車は、その直前まで全くペースの衰えを見せていなかった。
2スティント目を担当する柳田もコースイン直後からハイペースを維持すると、前との差をつめていく。
残りのレースはまだ50周以上も残されている。誰もが表彰台圏内到達はそれほど遠くないと、イメージしていた。
ところが53周目、悪夢が46号車を襲った。ピットインで交換した左リアタイヤはスローパンクチャーに見舞われており、この周回の100R付近でマシンはコントロールを失いコースアウト。
何とかピットに戻りタイヤを交換し戦列に復帰したものの、ここで大きく順位を下げてしまうこととなる。
しかしこの後46号車のラップペースは戻り柳田、84周目からは再び本山が前を追い続け10位でフィニッシュ。
開幕戦同様に実力を結果に結びつけることができなかったが、不運が重なったこのレースを10位で終え、そして貴重な1ポイントを獲得。
●本山哲のコメント
「1周目のアクシデントは、まだタイヤが温まりきれていなかった中、混戦となったことでの接触。
でもその後、タイヤは抜群のパフォーマンスを発揮してくれました。
マシンに速さがあってレースの内容そのものは良かっただけに、非常に残念な結果です。
レースでの速さを活かすためには、もう少し前のポジションからスタートして、次こそ優勝を争うところを皆さんにお見せしたいと思います。
次戦のRD3タイも応援よろしくお願いします!」
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