2014 AUTOBACS SUPER GT Round1 「OKAYAMA GT 300km RACE」 REPORT
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スーパーGT2014シリーズが、岡山国際サーキットで幕を明けた。今季はGT500クラスの全車両がレギュレーション変更にともない新車両になるという、大きな話題とともに開幕。その新勢力図が明らかになるこの開幕戦は特に、ファンの注目を浴びることとなった。
MOLAで2年目を迎える本山哲にとっては、2011年、2012年と同じMOLAで2年連続チャンピオンを獲得した柳田真孝の加入に加え、さらにその当時と同じ「S-ROAD」をタイトルスポンサーに迎えて、46号車「S-Road MOLA GT-R」にて参戦。2014年、タイトル奪回に向けた臨戦態勢は万全となった。
さらなる進化が求められるシーズンだが、新車両ということでマシン開発力やドライバーの適応能力が例年にも増して重要となる中、46号車は強力な武器を手にしている。
【予 選】4月5日(土) 天候:雨 路面:ドライ 気温:9℃ 路面温度:24℃(予選開始時)
■公式練習結果:3位 ベストタイム1’20.773(本山)
■公式予選結果:3位 Q2タイム1’19.574(本山)
今季最初の公式セッションである2時間の公式練習が、9時より開始。オフシーズンのテストで新車両の高いポテンシャルは垣間見られていたが、各マシンそこからさらにあわせこみ挑んだセッションだけに、序盤から好タイムが連発された。
中でもGT-R勢が好調で46号車も本山、柳田と51周を走りこみ、いずれも好タイムをマーク。結果、このセッションのトップ3をGT-R勢が独占することになり、その一角に食い込んだ46号車にはポール獲得の期待もかけられた。
午後2時、懸念された雨は結局降り出すことなくドライコンディションで開幕戦の予選を迎えることとなった。予選方式は昨年と同じく2セッションのノックアウト方式。15分間のQ1では開始直後から動き出すマシンはなく、残り10分となって全マシン一斉にコースイン。
フリー走行からさらに路面コンディションが上向いた中、ハイレベルな攻防が繰り広げられた。46号車の柳田は2周をウォーミングアップにあて、3周目からアタック開始。4周目にその時点で4位にあたる1’20.224マークすると、その翌周には1’20.203と、さらなるタイムアップを果たす。46号車は結局6位でQ1を通過。Q2の本山に開幕戦のグリッドは託された。
Q1終了から約20分のインターバルをはさみ行われたQ2は、路面温度が下がったことや決勝にタイヤを温存する必要があるなどの理由からQ1よりタイムが落ちるのではとの予想もあったが、フタを開けてみればQ1をはるかに凌ぐタイムが連発。開幕戦から実に見ごたえのある予選となった。
全マシンが開始から一斉になだれ込む中、46号車の本山が最後にコースイン。やはり2周をウォームアップにあて、3周目からアタックを開始する。そして4周目、本山の渾身のアタックは1’19.574という、従来のレコードタイムを2秒以上上回るスーパーラップとなるが、わずかにトップに届かずその時点で2位。さらに翌周もアタックに挑んだが1’19.911にとどまり、最終的に3位でチェッカーを受けることに。しかし決勝に向け、46号車は確かな手ごたえを掴んだ。
■本山 哲のコメント
「新しい車での初戦となりますが、オフのテストでしっかり準備していたこともあり予選はまずまず良いスタートを切れたのではないかと思います。このチームで連続チャンピオンを獲得し、ミシュランタイヤの経験が豊富な柳田選手も加わったことできっといいレースができると思います。前の方からスタートできるので、昨年は一度も果たせなかった優勝を今季は開幕戦から皆さんに見せられるようしっかり頑張りたいと思います。」
【決 勝】4月6日(日) 天候:晴れ 路面:ドライ→ウェット→ドライ 気温:10℃ 路面温度:17℃(決勝開始時)
■フリー走行結果:7位 1’31.385(柳田)
■決勝結果:10位(80周)1h57’50.360(本山→柳田)
この日の岡山は朝から天候が悪く、直前に雨は上がったものの9時開始の30分間のフリー走行は各マシン、レインタイヤでの走行。新車ということもあり少しでもデータを積み重ねたかったところだったが、路面は最後まで完全なドライにまで回復することはなかった。したがってどのチームも充分なリハーサルを行えないまま決勝に挑むこととなった。
そしてサポートレース、ピットウォークを挟み、午後2時注目のレースがスタート。今季はスタート直後のアクシデントを防ぐために、フォーメーションラップが2周に定められている。これはタイヤを充分に温める時間を与えることが目的。路面温度が低くなった今回はさらに1周追加となり、レースは81周で争われることになった。その効果が現れたのかオープニングラップで波乱は起こらず、序盤はトップ3が抜け出し接戦となる。46号車のスタートドライバーは本山 哲。好スタートを決めると、2周目には早くも2位に浮上しさらにトップを追う。そしてGT300のマシンが絡みはじめる7周目あたりからはトップに接近、後退を繰り返すことになるが優勝を射程距離に置いてイーブンペースで周回を重ねる。
ところが18周目あたりで天候が急変、急に降り始めた雨が思いのほか雨脚を強め20周を過ぎるとスリックタイヤではコントロールが難しい状況となり、後続にポジションを奪われ始めるとタイヤ交換の選択肢が急浮上する。しかしピットインのタイムロスを考えると規定周回をクリアするまで我慢するか、早めにレインに交換するか、天候の変化をどう読むかなど難しい選択を強いられることになった。
46号車はレインへの交換を選んだ。そしてこれが裏目に出てしまう。タイヤ交換後すぐに雨は止んでしまい濡れた路面は急速に回復。レインタイヤによる恩恵はわずか2~3周にとどまり再びスリック有利の展開へ。またスリックへ戻さざるを得なくなり本山は2度目のピットイン。しかし優勝戦線から離脱することになってしまった。
レースは50周以上残っており、ここから46号車はポイント獲得を目指すことになるが、ライバル勢よりピットイン2回分のタイムロスを喫し、一時13番手まで後退した46号車にとってそれは遠い道のりに思えた。しかし本山、そして後半バトンを受けた柳田は終始猛プッシュを見せ、最終周回にとうとう10位に到達。1ポイントをなんとかもぎ取ってみせた。
■本山 哲のコメント
「レース途中に雨が降ってきてレインタイヤに交換したのですが、結果的にこの作戦が裏目に出てしまいました。ただ今回は予選、決勝と車のパフォーマンス自体は非常に良かったので、第2戦以降に関しては前向きに捉えています。今回は結果を出すことができず応援してくれた皆さんには申しわけなかったのですが、チームに高いポテンシャルがあることは間違いないので今季は期待してください。第2戦も応援よろしくお願いします!
最後になりましたが、今シーズンも私たちの活動をサポートして頂く関係企業の皆様に心よりお礼申し上げます。そしてファンの皆さんと一緒にシーズン最後まで戦えることを楽しみにしています。」
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