2013 AUTOBACS SUPER GT Round1
「OKAYAMA GT 300km RACE」 REPORT
スーパーGT2013年シリーズが、例年通り岡山国際サーキットで開幕した。1997年からGT500クラスに参戦する本山哲にとって、今季は大きな転機を迎えることとなった。12年ぶりにチームを移籍。2年連続でタイトルを獲得している1号車は、今期新たなスポンサー企業を迎え、「REITO MOLA GT-R」として、今季GT300からステップアップしたルーキー関口雄飛をパートナーに闘うことになったのである。マシンは昨年と同じNISSAN GT-R、タイヤは2010年に経験しているミシュラン、チームもここ2シーズン輝かしい実績を挙げていることで、これまでにも増してタイトル獲得への期待は高まることとなった。
【予選】
4月6日(土) 天候:雨 路面:ウェット 気温:13℃ 路面温度:15℃(予選開始時)
■公式練習結果:4位 ベストタイム1’27.167(本山Dr)
■公式予選結果:タイム抹消(赤旗原因車両)
新チームとしての最初の公式セッションである朝の公式練習は、開始直後から雨に見舞われた。最初の20分こそドライ走行が可能だったが、その後徐々に状況は暗転し、ヘビーウェット状態となった中盤以降はスピン、クラッシュが続出。5度の赤旗中断という荒れたセッションとなる。1号車のベストタイム1’27.167は4位をマーク。またレインでも速さを見せ、緒戦での好グリッド獲得を予感させた。
今季は予選レギュレーションが変更になり、全戦で2段階のノックアウト方式が採用される。15分間のQ1(第1予選)で上位8台がQ2(第2予選)に進出、12分間のQ2で上位8台の予選順位が決定されるというものだ。公式練習後一旦弱まったものの、予選開始の午後2時に近づくにつれ再び雨は激しさを増した。そして主催者の判断により開始時刻が変更となり、GT500クラスの予選Q1は午後3時より開始された。
雨はこのあたりから再び弱まり始めたため、各マシンは開始から連続でアタックを行い、周回を追う毎にタイムを上げていった。1号車はQ1で関口が出走。1周目の1’42.584から3周目に1’37.204と一気にタイムアップを果たすと、翌周もさらに1’36.118。雨の中、GT500ルーキーとは思えない見事なマシンコントロールでライバルを圧倒、堂々のトップに立つ。ところがその後、赤旗中断再開後の1周目にスピンを喫してしまい、不運にもリヤウィングがコースサイドのウォールに引っかかってしまうというアクシデントで脱出することができず、ここで2度目の赤旗中断。赤旗の原因を出した1号車は、レギュレーションにより予選のタイムが抹消。規定によりこの時点でQ2進出はなくなったが、その後の天候悪化によりQ2はキャンセルされることになった。
しかし、序盤に垣間見せた速さは、決勝での挽回に充分希望を持たせるものだった。
●本山 哲の予選コメント
「今季は久しぶりにチームを移籍し、新チームで戦うことになりましたが、輝かしい実績があるチームだし、ミシュランタイヤに戦闘力があるのも分かっているので、開幕戦から最低でも表彰台を狙っています。予選はアクシデントがあって残念な結果になってしまいましたが、1号車に速さがあることは確認できました。オーバーテイクが難しいコースですが、マシンとドライバー二人の速さを武器に、序盤から追い上げていきます。」
【決勝】
4月7日(日) 天候:晴れ 路面:ドライ 気温:8℃ 路面温度:17℃(決勝開始時)
■フリー走行結果:5位 1’26.088(本山)
■決勝結果:10位(81周)2h00’19.615(関口Dr→本山Dr)
前日の荒れた天侯から一転、岡山国際サーキットの空は朝から晴れわたり、絶好のコンディションで決勝日を迎えた。朝9時から開始されたフリー走行では路面に雨が残り前半は各マシン、インターミディエイト(雨用浅溝タイヤ)で走行を行ったが、中盤以降はいずれもドライ(スリックタイヤ)に切り替え、決勝へ向けたセットアップを着々と進めた。1号車はまず、関口がインターでコースイン。前日同様の速さを見せ、ベストタイムも上位を記録した。そして残り10分となり、ライバル達よりやや遅れてピットインした1号車は、タイヤとともにドライバーも本山にスイッチ。2周のアタック中、数回セクター(区間)タイムのベストをマークするなどやはり速さを見せ、トータルでも5位。決勝での追い上げに一層の期待がかかることになった。
午後2時、今季緒戦決勝の火ぶたが切られた。フォーメションラップを終え1周のセーフティカーランの後、レースはスタート。14番グリッドからスタートする1号車は、関口がスタートドライバーをつとめた。その関口はまずまずのスタートを切り、序盤はスタート順位をキープ。8周目に前を走るマシンがイレギュラーのピットインに入った為ひとつ順位を上げる。そして、その後ペースを掴むと関口は反撃を開始。13周目には、ポイント圏内の10位に進出してみせる。38周目にピットインしタイヤ交換を行うと、1号車は後半スティントを本山に託した。
すべてのマシンがピットインを終えたのが49周目。1号車は12位から前を追うことになった。岡山国際サーキットはコース幅が狭く、抜きどころが少ない。さらに後半スティントになると、GT300クラスのマシンが頻繁に絡んでくる。ラップタイムを安定させることも、オーバーテイクを仕掛けることも非常に困難な状況だったが、本山は安定したラップを刻み、粘り強く走り続けた。そして、これが終盤順位を上げることに結びつき、再び最終周回にポイント圏内の10位に1号車を到達させ、チェッカーを受けた。
●本山 哲の決勝コメント
「14番スタートから、最終的にポイントを獲れたのは良かったと思います。でもチームの力からすれば、どんなレースであっても表彰台のあたりには行っていなければならないところ。皆さんが期待するようなシーズンのスタートを切ることができなくて、とても残念です。2戦目からはもっとチームがまとまって本来の力を発揮できると思うので、富士ではもちろん優勝を狙っていきます。みなさん、今季も応援よろしくお願いします!」
S-GT RD1レポート
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