【予 選】 11月16日(金)天候:晴れ 路面:ドライ 気温:13℃ 路面温度:14℃(第2レース予選開始時)
【決勝1】 11月17日(土) 天候:雨 路面:ウェット 気温:10℃ 路面温度:10℃(第1レース決勝開始時)
【決勝2】 11月18日(日)天候:晴れ 路面:ドライ 気温:12℃ 路面温度:12℃(第2レース決勝開始時)
【予選】
一昨年に発足した特別戦「JAFグランプリ スーパーGT&フォーミュラ・ニッポン 富士スプリントカップ」、その第3回目が富士スピードウェイで開催された。
国内最高峰2つのレースの競演、そしてシーズン戦では決して見られないスリリングなスプリントレースという同イベントならではの魅力はファンのハートをがっちりと包み、三日間で68,300人もの観衆が訪れ大いに賑わうこととなった。
今季シーズン戦では終止安定した速さを見せながらも、残念ながら未勝利に終わってしまった23号車「MOTUL AUTECH GT-R」。一年間応援してくれたファンに報いるためにもこの特別戦で結果を残そうと、ドライバーの本山哲とミハエル・クルム、そしてチームは再び一つになった。
富士で行われた今季第2戦では、予選4位からトップ争いに加わり最終的に3位表彰台を獲得という活躍を見せている。シリーズ戦で果たせなかった勝利へのファンの期待は、いっそう高まった。
この大会、スーパーGTのレースは2回。二人のドライバーがそれぞれ100kmのレースに挑む。金曜日はその2レースの公式予選が行われ、23号車は第1レース予選にクルム、第2レース予選に本山が挑んだ。
11月中旬ということでシーズン戦にはない寒さとなった富士。これによりエンジンパワーが上がり、午前中に行われた1時間の公式練習から好タイムが連発。23号車は、ここではベストタイム1’34.344のクラス15位に終わった。しかしその後マシンをアジャストし、本番の予選では大きく順位を上昇させることとなる。
まず第1レースの予選にクルムが出走。午後2時35分からの20分間のセッションで開始からアタックを続け、最終アタックでコースレコードにあたる1’31.649をマークし8 位とする。そしてGT300クラスの予選を挟み午後3時40分より開始された第2レース予選には、本山が出走。クルムと同様に開始からコースインすると連続でアタックを行い、タイヤが温まる毎にラップタイムを上げて行った。
3周目のアタックでは1’31.104というクルムのベストを早くも更新。ここで2位に浮上する。しかしその後ピットインを挟み5周アタックを敢行。31秒台を連発するも、それ以上の更新はかなわず、終盤富士を得意とするレクサス勢の逆転を喰らい、最終的に本山は5位で第2レースの予選を終えることとなった。
【決勝】
激しい雨の中で行われた前日の第1レースではクルムがスタート周回のジャンプアップからさらに次々とオーバーテイクを決め、9周目にセーフティカーが入りその後赤旗終了とはなったものの、わずか6周で8番グリッドから4位まで追い上げる活躍ではずみをつけた23号車。
今度は本山が激走を披露する番だ。この日は前日から一転、さわやかな秋晴れにつつまれた中、ドライコンディションでレースは行われた。22周、100kmのスプリント、シーズン戦にはないスタンディングスタート、そしてオーバーテイクが比較的容易な富士で、タイヤを気にせず全開で最初からプッシュが可能と、まさにドライバーの腕の見せどころだ。
午後3時15分、今シーズン最後の走りに向け本山は静かに5番グリッドについた。
フォーメションラップを終えシグナルがグリーンに変わると、一斉にマシンが動き出す。本山はここでやや出遅れることになった。そしてレースはオープニングラップからスプリントカップらしい展開となり、トップから15位まで全てのポジションで激しい攻防。随所でバトル、接触が勃発し、本山も接触を受けることになりここで9番手に後退してしまう。
短いレースでこれは痛いところだった。しかしここから23号車は、本山らしい走りで盛り返していった。
トップと遜色の無いレースラップと本山の巧みなドライビングで徐々に前車に詰め寄っていくと6周目には一気に6位まで挽回。その後も実に安定した走りで当初3秒ほどあった5位との差を少しずつ縮め12周目に追いつくと、タイムロスすることなく見事にオーバーテイクを決め5位に浮上する。
そこからどこまで追い上げられるかはもはや、残り数回周との戦いとなった。そして18周目に4位を捕えなおも3位を追うが、追撃はそこまで。オープニングラップ以降一度も後退せず前に進み続けた23号車のレースは、4位でフィニッシュ。22周という短い規定周回がピリオドを打つこととなった。
スプリントカップは23号車の持ち味である戦略やピットワークなど、ドライバー以外の部分の強さがあまり活かされないレースである。しかし、いずれも表彰台には上がれなかったものの、スプリントカップにファンが最も求めている走りを二人のドライバーは披露したといえる。これを見て、来シーズンの幕開けがより楽しみになったファンは多いはずだ。
●本山 哲のコメント
「スタートの遅れはメカニカル的にしょうがない部分もあって、ちょっと残念。でも、その後のペースには満足しています。スプリントカップに向けて改善したことがうまく機能したということで、来年に繋げることができました。結局4位までしか追い上げられませんでしたが、ファンの皆さんが期待するオーバーテイクシーンを何度か見せることができたことも良かったと思います。
シリーズ戦、スプリントカップと、今年一度も果たせなかった優勝は来シーズン必ず達成し、タイトルを奪い返したいと思います。チームはそのために、明日からのシーズンオフもずっと戦い続けます。
4月の2013年開幕戦、より強くなった23号車にぜひ、期待してください。皆さん、一年間応援いただき、有難うございました!」
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