2013 AUTOBACS SUPER GT Round2
「FUJI GT 500km RACE」 レポート
スーパーGT2013年シリーズは、開幕戦から3週間のインターバルを経て第2戦を富士スピードウェイで開催。国内のレースでは最も集客の多い、ゴールデンウィーク恒例のFUJI500kmレースを迎えた。
本山哲&関口雄飛というドライバー布陣で今季を戦う1号車「REITO MOLA GT-R」は、その緒戦となる開幕戦で1ポイントのみの獲得に終わったものの、垣間見せた速さはこの第2戦における優勝争いを充分期待させるものだった。また富士スピードウェイはレクサス勢が得意とするコースだが、ニッサンGT-Rも拮抗した速さであるのは、昨年本山自身が同大会で3位表彰台を獲得、9月の第6戦でGT-Rがワンツーを決めていることで証明されている。
【予選】4月28日(日) 天候:晴れ 路面:ドライ 気温:18℃ 路面温度:32℃(予選開始時)
■公式練習結果:8位 ベストタイム1’32.518(本山)
■公式予選結果:7位 Q2タイム1’32.120(関口)
富士スピードウェイは予報通り、朝から雲ひとつない青空となり気温も上昇。絶好のゴールデンウィーク日和となった。朝9時から1時間50分間にわたる公式練習は終始ドライコンディションで行われ、1号車も午後の予選に向け着々と走り込みセットアップ作業を進めていく。
ところが関口がモラルハザード累積によりこのセッションで走行することができず、43周の周回はすべて本山が行うことに。トラブルなく順調にセットアップ作業は進められたが、マシンやタイヤ、路面の状態を把握することなくリハーサル無しで午後の予選に挑まなければならない関口の予選アタックに一抹の不安が残された。
公式予選は午後2時より、例年よりかなり路面温度が高くなった中まずはQ1(第1予選)がスタート。1号車は本山がアタッカーをつとめた。路面温度が高くなったことで開始からコースインはなく、全マシンが最初の5分をウェイト。残り10分となると、一斉にアタックが開始された。本山はさらにここから間合いを取ってコースイン。1周をウォームアップに使い、2周目からアタックに入る。ところがこのタイミングで、マシントラブルでコース上にストップしたマシンが現れ、セッションは赤旗中断。本山のアタックは、赤旗開けに持ち越された。
ストップしたマシンが回収されると、Q1は残り5分で再開。ここからは全マシンがチェッカーまで連続アタックを行った。本山はこの最初のアタックで、4位となる1’32.810をマーク。翌周のアタックでは1’32.226までタイムを伸ばし、さらに3位に浮上させる。ラストアタックで2台が本山を上回るが、5位で1号車はなんなくQ2進出を決めた。
Q2(第2予選)もQ1と同様に、10分間のセッションながら開始からのコースインは控えられた。その中、唯一コースに出て行ったのが1号車。この日まだ一度もマシンをドライブしていない関口はマシン、タイヤ、そして路面の状況を確かめるように走り始めた。そして1周目の1’42.498から2周目、3周目と着実にタイムアップを果たすと、4周目にはベストタイム1’32.120をマーク。一時5位に浮上する。しかしラストアタックでライバル勢がベストを更新する中関口の方はタイムアップならず、1号車は第2戦の予選を7位で終えることとなった。
●予選コメント
「関口がリハーサルを行っていないことで、予選では着実にQ2に進むために自分がQ1を走ることになりました。決勝は7番手スタートになりましたが、長いレースだし富士はオーバーテイクしやすいコースということで、戦略をはじめとした決勝でのチーム全体のパフォーマンスが結果に最も影響すると思います。1号車はドライバーもチームも高いポテンシャルを持っているので、7位スタートでも充分優勝争いができるはず。期待していて下さい!」
【決勝】4月29日(月) 天候:晴れ 路面:ドライ 気温:20℃ 路面温度:32℃(決勝開始時)
■フリー走行結果:5位 1’33.891(本山)
■決勝結果:9位(周)2h56’12.866(本山Dr→関口Dr→本山Dr)
前日に続き五月晴れに恵まれた富士スピードウェイには、4万8500人もの観衆が詰めかけた。7番グリッドからレースに挑む1号車「REITO MOLA GT-R」は、朝8時半からのフリー走行で本山、関口ともに8周ずつを走行し、決勝のリハーサルを万全に行った。そして、本山がマークしたベストタイム1’33.891はトップとコンマ5秒差の5位。レースでの優勝争いに向け、まずまずの感触を掴んだ。
500kmに及ぶ第2戦のレースでは2回のピットインに加え、それぞれでドライバー交代が義務づけられる。1号車は、第1スティントと第3スティントを本山に託した。
午後2時、フォーメーションラップを終え決勝のローリングスタートが切られる。ここで本山は抜群のダッシュを見せ1コーナーまでに3台をパスし4位にジャンプアップするが、その後4位以降がダンゴ状態となり他車と接触、8位と逆に順位を落としてしまう。しかし本山は2周目に7位を奪い返すと、36周目の最初のピットインまで守り抜いた。
セカンドスティントを担当する関口もコースインするや否や、持ち味の速さを発揮した。全てのマシンが1回目のピットインを終えた時1号車は8位に後退することになったが、7位のマシンの背後に瞬く間に追いつくと、早速バトルを仕掛けていく。しかし、ペースでは上回っているもののなかなかオーバーテイクするには至らず、逆にこの間に後続が追いつき三つ巴の争いに発展。この結果1号車は、9位に後退することになった。
1号車の2度目のピットインは、77周目。ここで再び、本山にステアリングが委ねられた。10位でコース復帰となった1号車だが、ここから本山が懸命の追い上げを見せる。そして90周目、前のマシンに追いつくと鮮やかにオーバーテイクを成功させ9位に浮上。その後さらに8位に迫っていったが、追い上げはここまでとなった。1号車は第2戦を9位でフィニッシュ。開幕戦から連続となる、ポイント獲得を果たした。
●決勝コメント
「結果的にスタートポジションを上回れなかったのは、非常に残念です。ポジションが悪かったことで序盤の混乱に巻き込まれてしまい、接触の影響もあって思うようにペースを上げていくことができませんでした。開幕戦から連続でポイントを獲れてはいますが、チームのポテンシャルがもっと高いところにあることは間違いありません。次のセパンはGT-Rが得意とするコースなので今度こそ、ポテンシャルを結果に結びつけてみせます。第3戦もみなさん、応援よろしくお願いします!」