3月31日(土)天候:曇り時々雨のち晴れ 路面:ウェット、ドライ 気温:10℃ 路面温度:17℃(ノックアウト予選開始時)
待ちに待ったスーパーGT2012年シリーズが、いよいよ開幕を迎えた。昨年はシーズン3勝を挙げたものの、惜しくもタイトルには届かなかった23号車「MOTUL AUTECH GT-R」。今シーズンこそは08年以来となるタイトルを奪回すべく、チームは開幕戦の舞台となる岡山国際サーキットに集結した。
今季の布陣はドライバーコンビが変更。エース本山哲のパートナーには、昨年FIA-GT1世界選手権チャンピオンを獲得したミハエル・クルムがカムバックしている。
岡山国際サーキットでは2週間前に開幕直前の公式テストが開催されたが、天候不順の影響からドライコンディションでの走り込みが不足していた。またこの日の午前中に行われた公式練習から午後の公式予選にかけても、曇り空から小雨が落ちてきたと思えば今度は雪に変わり、またすぐに晴れ間が広がるという、目まぐるしくコンディションが変わっていくタフなセッションとなる。もちろんこれは全てのチームに共通する“試練”ではあったが、日産ワークスチームニスモのエースをここまで担ってきた本山にとっては、経験の違いを見せつける絶好の好機ともいえた。
セッションを通じてウェットコンディションとなった公式練習では、23号車はまずクルムが周回を重ね、後半に本山がドライブ。走行時間帯によって路面コンディションは大きく異なりタイムが上下する中、チームは淡々と予定メニューを消化する作業に徹する。したがって、このセッションでマークした1’36.107というタイムもクラス11番手というポジションも、チームにとっては何ら気にかけることのない“ただの結果”でしかなかった。
今回の公式予選は、ノックアウト方式。GT500クラスの場合、15台のうち4台ずつがQ1とQ2でふるい落とされ、勝ち残った8台でトップ8グリッドを争うことになる。午後2時45分から始まったQ1ではまず、本山が出走。ウェットコンディションからハーフウェットに変わっていく難しいコンディションだったが、チームも本山も、ここで目先のコンマ1秒にこだわることなくレインタイヤで走行。5番手につけ、確実にQ1を突破する。続くQ2はクルムが担当、「ギヤにトラブルを抱えていた・・・」事を微塵も感じさせない渾身のアタックは5番手で確実にQ2を通過している。
こうして迎えたQ3では、本山がこの日2度目のアタックに挑んだ。そして決勝を見越してハード目のタイヤを選択すると、タイヤを完全に温めきれない状態のアタックながら1’22.965をマークし見事、4番手グリッドを獲得することに成功。開幕ダッシュの足がかりを掴んだ。
翌日の決勝は、午後2時にスタートの予定。予報通りであれば天候は晴れで、路面温度も上昇することは間違いない。開幕戦勝利に向け、ハード目のタイヤは大きな武器となるはずだ。
●本山 哲のコメント
「予選は4番手に終わりましたが、決勝を見越してハード目のタイヤを選んでいるので、あまり気にしていません。今日のコンディションではタイヤを温めるのが難しく、ノックアウト予選ということで周回も少ないので、結果的に温めきれないままアタックしなければならない。そんな条件だったので、悪くない結果だと思っています。今季はマイケル(ミハエル・クルム選手)とコンビを組むことになったけど、昔コンビを組んでいたこともあるしコミュニケーション的にもバッチリ。決勝は、バンバン追い上げていけると思います。シリーズの流れを掴むためにも開幕戦はいい結果で終わりたいので、皆さんも応援してください!」