10月1日(土)天候:晴れ 路面:ドライ 気温:20℃ 路面温度:29℃(予選開始時)
スーパーGTは、2011年シーズンのセミファイナルとなる第7戦を九州のオートポリスで迎えた。今季タイトル奪還を目指す23号車「MOTUL AUTECH GT-R」は、前半戦をランキングトップで折り返しながら後半戦では思うような成績を残すことが出来ず、2戦を残しトップとは21ポイント差の5位と、厳しい状況に置かれている。
しかしこの一戦は後半戦23号車を苦しめたウェイトハンデがポイント×1kgに軽減され、またオートポリスがGT-Rの得意とするテクニカルサーキットであることから、挽回の大きなチャンスとなることは間違いない。さらに23号車に関しては、GT-Rのデビューイヤーであった2008年に優勝を飾り、翌2009年には2位を獲得しているという、特に相性のいいサーキット。その印象がまだ残るファンにとっては、殊更期待は大きい。
標高の高い山岳地域だけに時折冷たい風が吹くものの、爽やかな秋晴れに包まれた中、公式予選が行われた。予選に先駆け午前中に行われた公式練習では序盤からブノワ・トレルイエがしっかりと走りこみセットアップを進め、終盤には本山哲も走行。ベストタイムは9位に留まるもトラブルもなく、まずまずのスタートを切っていた。
この日の公式予選はスーパーラップ方式。12時より、その進出10台を賭けた予選一回目が行なわれる。25分間の混走セッション、23号車はまず本山がコースイン。最初のアタックでマークした1’43.693は、この時点でクラス4位となる。そしてもう1周を走行した後にピットインし、代わって今回のアタッカーであるブノワがコースに入る。ブノワはまず1周のチェック走行を行い、ピットに戻りセッティングを微調整した後にアタック。
ここで1’42.420とこの日のベストタイムをマーク。一時落とした順位を、再び4位に戻した。
混走セッションを終えGT300クラス占有セッションを経て、いよいよGT500クラスの占有セッションが開始。ここから各陣営、ニュータイヤで本格的なアタックに入るため、タイムは大きく更新されていく。23号車もブノワがコースインし、アタックラップに入った。ところが、その周の第2ヘアピンでスピンを喫してしまい、うまく立て直したかに見えたがガードレールにフロント部分を接触。アタックを中止し、ピットインを余儀なくされる。
幸い大きなダメージではなかったが10分間という短いセッションの中、再度のアタックは叶わず、セミファイナルの重要な予選を結局12位で終えた。
劣勢が続く中、一発必中で臨んだ予選だけに、手痛いアクシデントであった。しかしチームに諦めムードはない。抜きどころの少ないオートポリスで12位からの上位進出は確かに難しいが、真のチーム力は土壇場でこそ発揮されるもの。その力を信じるファンは皆、明日の怒涛の追い上げシーンを思い描いているはずだ。
本山 哲のコメント
「相性のいいオートポリスということで、今回が挽回の大きなチャンスであることは自分もチームも良く分かっているし、ファンの皆さんの期待が大きいことも分かっています。でも、スピンは攻めた結果だし仕方がない。予選は12位で終えましたが、マシン自体は調子が良く、明日は追い上げられるはず。またタイヤに厳しいサーキットでありレースが荒れることも多いので、その部分でもチャンスはあると思っています。もちろんドライバーもスタートから全開プッシュで行きます。
皆さん、最後まで応援よろしくお願いします!」