9月11日(日)天候:晴れ 路面:ドライ 気温:29℃ 路面温度:39℃(決勝開始時)
スーパーGT2011年シーズンは富士スピードウェイで、第6戦の決勝を迎えた。同じく富士で行なわれた事実上の開幕戦を制し、タイトル奪回に向け最高のシーズンスタートを切った23号車「MOTUL AUTECH GT-R」だったが、その後は思うようにポイントを重ねることが出来ず、3戦を残しトップと22ポイント差の3位にまで後退。さらにこの日のレースもグリッドは11番手と、依然苦しい状況は続く。しかし23号車が今季何度か見せた、決勝での怒涛の追い上げが、ファンの期待を途絶えさせなかった。
薄い雲が上空を包み、前日に比べ幾分残暑が和らいだ午後2時にレースは開始。
次の第7戦からウェイトハンデが軽減されるため、現時点で獲得ポイントの少ない、ウェイトの軽いマシンが必勝を期して臨んだこの一戦は予想通り、随所でバトルが起こる激しい戦いとなった。そんな中23号車のスタートドライバー、ブノワ・トレルイエはオープニングラップの混乱で他車と接触してしまうが、幸いマシンにダメージはなく、序盤は着実にタイヤを温存し11位をキープ。10周目を過ぎたあたりからペースを上げ、攻勢に転じる。
そして14周目には、ダンロップコーナーで、バトルでスピードを落とした前の2台を同時に抜き去り、またトラブルで1台がピットインしたため、順位を一気に3つ上げることに成功。21周目にも、プリウスコーナーから最終コーナーまでの間にからんできたGT300のマシンを巧妙に利用し、ここでも2つ順位を上げる活躍を見せる。
レースは中盤に入り、各マシン、ルーティンのピットインが始まる。23号車は27周目にピットインし、本山哲をコースに送り出した。全マシンがピットインを終えた34周目、23号車の順位は7位。ここから前半スティントと同様に、まず序盤はタイヤを温存する作戦に出る。後半になっても随所でバトルが発生する相変わらず激しいレース展開の中、本山はこれに巻き込まれることなく粘り強く順位をキープ。
そして終盤を迎え、50周目と最終周回となる55周目には前を行くマシン次々と抜き去ると6位でチェッカー。表彰台圏内への到達こそならなかったが、ポイント圏外である11位から5番手アップを果たし、5ポイントを獲得した。
6位入賞によりランキングではトップとの差をわずかに縮めることになったが、シーズンの残りはわずか2戦。タイトル獲得はさらに厳しい状況となったが、ウェイトハンデが軽減されるこの2戦は、2連勝のチャンスであることも確か。23号車の本来のチーム力が存分に発揮されれば、決して不可能ではないはずだ。
本山 哲のコメント
「ポイント圏外のスタートから1つでも多くポイントを獲得しようという、最低限のノルマはクリア出来たと思いますが、自分達のレースはもっと上を見据えて戦わなければならないのが事実です。
可能性がある限り、タイトルを諦めるつもりはありません。
残り2戦はハンデが軽くなるので、まずは予選でもっと上のポジションを獲得して、両方とも優勝を狙っていきます。チームの総合力を発揮して、ブノワと残り2戦全力で戦い、応援していただいてる皆さんに納得のいくレースを必ずお見せします。
特に次のオートポリスはGT-Rが得意とするコース。皆さん、今度こそ期待して応援してください!」