2018S-GT RD8レポート
2018 AUTOBACS SUPER GT Round8
「MOTEGI GT 250km RACE GRAND FINAL 」 レースレポート
3号車「CRAFTSPORTS MOTUL GT-R」のGT500クラスデビューイヤーとなるスーパーGT2018シーズンが、ツインリンクもてぎで最終戦を迎えた。
時折速さを見せながらも、結果的にレースでの最高位はここまで7位。
納得のいく結果を出すため最後のチャンスとなるこの一戦、終盤戦に入り本来の速さを発揮できていないニッサン勢の中にあって、午前中に行われた公式練習で比較的ポテンシャルを感じさせたのが3号車だった。
ウェットコンディションでスタートしたセッションは、中盤あたりからドライに。
ここから午後の予選に向けたセットアップは概ね順調で、専有走行時間帯の千代勝正によるアタックシミュレーションの結果は11位に終わったものの、チームはQ2進出可能な手ごたえを感じていた。
【予選】11月10日(土)天候:晴れ 路面:ドライ 気温:22℃ 路面温度:24℃(予選開始時)
■公式練習結果:11位 1’37.927(千代)
■公式予選結果:8位 1’37.154(本山)
この時期としては異例ともいえる陽気となったこの日のもてぎだったが、午後になると風が冷たくなり、午前と比べ路面温度は下がることになった。
そんな中、午後2時20分にGT500クラスの予選Q1がスタート。
3号車のQ1を担当する千代は残り8分あたりでコースインすると、2周のウォームアップを経てアタックへと入った。
そしてマシンの仕上がりに好感触を持っていた千代はS字で飛び出し若干のタイムロスを喫するも1’36.913をマークし、この時点で6位。
ラストアタックでのベスト更新はならなかったが、なんとか8位に残ることに成功し、ニッサン勢で唯一Q2進出を果たした。
その後、GT300クラスのQ2を経て午後3時03分、GT500クラスのQ2がスタートした。
Q2は10分間で行われ、3号車は開始から3分後に本山哲を乗せ、8台の先頭を切ってコースへと入っていく。
そしてQ1と同じルーティンで2周のウォームアップを済ませると、3周目にアタック。
公式練習でニュータイヤでのリハーサルを行っていない本山にとってはぶっつけ本番に近い状態でだったが、渾身のアタックで3周目に1’37.154をマーク。更に続く周回もアタックを敢行。
そしてチェッカーを受けたライバル勢が次々とピットへ戻る中、コース上に1台残った3号車は最後まで諦めずプッシュするもタイムアップは果たせず8位に留まり、最終戦のレースを3号車は4列目の8番手から挑むことになった。
●本山哲の予選コメント
「ここ数戦の原因についてチームとミーティングを重ねた結果、かなりフィーリングが良くなり今日は攻められる状態にあることを感じていました。
しかしながらライバルたちもポテンシャルを上げていて、特に予選でのパフォーマンスアップが大きいので8位くらいで踏みとどまれれば、というのが現実的な予選目標でした。
千代がQ1を上手くまとめてくれたので、Q2は一つでも上のポジションをとギリギリまでアタックしましたがかないませんでした。
自分のアタックもクルマなりのパフォーマンスは出せたし、この予選に関して言えばベストな結果で終えられたと思います。
もちろん8位で満足というわけではありませんが、レースではもっと強いと思っているので、8番手からうまくポジションを上げていって最終戦こそ表彰台を獲得したいと思います。」
【決勝】11月11日(日)天候:晴れ 路面:ドライ 気温:24℃ 路面温度:30℃(決勝開始時)
■決勝結果:9位(53周)1h31’50.055(千代→本山)
この日のもてぎは朝から雲ひとつない青空が広がり、シーズンファイナルを飾るにふさわしい絶好のコンディションとなった。
好天に誘われるようにサーキットに集まった3 万7千人の大観衆が見守る中、午後1時30分に最終決戦の火ぶたが切られた。
3号車のスタートドライバーは千代がつとめた。
オーバーテイクポイントがほぼないコースレイアウトである反面、レース距離は250kmと通常より短くピット戦略に幅がもてることで、8番手とはいえ3号車が順位を上げていく可能性は充分あると思われた。
レース序盤は安定したペースでしっかりと8位をキープしながら順位浮上を窺っていく。
しかしラップペースでは7位を上回るも、もてぎのコースでさらにGT300クラスの混走となるとなかなかチャンスは訪れず、ポジションキープのままピットインのタイミングを探る。
全体的に接近していたことからアンダーカットを狙うために各マシンの動き出しは比較的早く、20周目以降、ピットは慌ただしくなった。
そんな中、ペースが安定していた3号車はピットインを引っ張る作戦に出る。
ところがこれは裏目に。26周目にピットインした3号車は数周前にピットインしニュータイヤでプッシュしたマシン4台に先行されることになり、ここで代わった本山は12位で第2スティントをスタートさせることになった。
前半と同様、後半も3号車のペースは上位に匹敵するものだった。
だが屈指のレース巧者である本山をもってしてもコース上でのオーバーテイクは難しく、しばらくは膠着状態が続く。
順位が変動したのは48周目のことだった。前の2台が接触し、そのうちの1台がコースアウトを喫したことで11位に浮上すると、さらにもう1台にドライブスルーペナルティが課せられ50周目には10位。
ここでようやくポイント圏内に復帰する。そして、その後1台をオーバーテイクすることに成功するもその周をもってレースは終了。
3号車は最終戦でも速さを結果に結びつけられず、9位でレースを終えることになった。
●本山哲の決勝コメント
「今回は、クルマもタイヤもコンディションにマッチして序盤から良いペースで走ることが出来たと思います。
結果としてはピットインのタイミングが大きく左右しました。
早めにピットインしたクルマが想定より大きくペースを上げたことで、3号車は中盤以降もペースは悪くないもののそのギャップを埋める事が出来ませんでした。
ピットインのタイミングを遅らせ、その間にプッシュする事で少しでも前とのギャップを詰める作戦でしたが、今日のレース展開の中ではその効果を発揮できませんでした。
レース終盤まで挽回できるポテンシャルはあったものの、このコースではなかなかオーバーテイクは難しく、速さを結果に活かせず残念です。
新体制で迎えた今シーズン、全てが思い通りの展開にはなりませんでしたが、最後に何とか良い状態でレースをすることができて良かったと思います。
最後になりましたが、今シーズンの参戦を支えて頂きました、日産、ニスモ、チーム、活動を支援して頂いた関係企業各社様に心より御礼を申し上げます。
そして、最後まで熱い声援で共に戦ってくれたた多くのファンの皆さんに感謝します。
次はニスモフェスティバルでお会いしましょう!!」