スーパーGT RD2 富士/予選レポート
5月3日(木) 天候:雨 路面:ウェット 気温:18℃ 路面温度:21℃(スーパーラップ予選開始時)
スーパーGT2012年シリーズは、第2戦を富士スピードウェイで迎えた。ゴールデンウィーク恒例となるファンに人気のこの大会は、今回4年ぶりにレース距離が500kmに復活。速さのみならず燃費、タイヤ、ピットワーク、戦略と、まさにチームの真の力が試されるレースとなった。開幕戦では最終的に4位で終えたものの、一時トップに立つ快走を見せた23号車「MOTUL AUTECH GT-R」は、定評のあるチーム力に加え、大きくアップデートされたマシンを武器に大会2連覇、そして今季初勝利を目指す。
午前9時から行われた2時間の公式練習は、予報の通りに悪天候の中行われた。降り続く雨に開始から翻弄されスピン、クラッシュを喫するマシンが続出。赤旗が連発する荒れた展開となるが、23号車はその中、アクシデントに見舞われることなく淡々とウェットセッティングを進めて行く。前半はミハエル・クルムが走行し、ちょうど一時間が経過したあたりから本山哲が代わって走行。路面の状態は変化を繰り返したためタイムはバラつくことになったが、セッション中ベストタイムはほぼトップ5内で推移。雨脚が弱まった終盤、本山がマークした1’46.038はクラス5位。公式予選での上位グリッド獲得の期待は高まった。
午後になり一旦雨脚は弱まったに見えたが、午後1時15分、GT500クラスの予選一回目が開始される頃には再び勢いを強めた。23号車は開始からクルムがコースイン。深溝のレインタイヤを装着した最初のアタックでは、思うようにタイムが伸びなかった。そこで23号車は、すぐさまピットインしタイヤを浅溝に交換。これが奏功する。その後2回目のアタックでクルムは1’44.401と大きくタイムを伸ばすと、一気にトップへ浮上。その後1台に更新されるも翌周のラストアタックでさらに1’43.640とタイムアップを果たし、2位にコンマ7秒という大差をつけトップでスーパーラップ進出を決めた。
予選一回目から約二時間のインターバルを経て、午後3時10分よりポールポジションをかけたスーパーラップが開始。23号はここで、エース本山を投入する。雨はGT300クラスの時間帯では降ったり止んだりを繰り返し、出走のタイミングによって有利不利が分かれる状況。しかしGT500のスーパーラップ開始時点にはおおむね雨は止み、アタックが後になるほどタイムが伸びる展開となった。そして予選一回目3位のマシンがマークした1’43.699をターゲットに、いよいよ本山がアタックに入る。セクター1で、ベストタイムをわずかながら更新。ポールポジションの期待は一気に高まった。しかしセクター2でやや遅れてしまい、トータルタイム1’44.309はコンマ6秒程トップに及ばず。この結果、23号車は第2戦の予選を4位で終えることとなった。
予報ではレース当日の天候は晴れ。力と力の戦いが予想される。と、なれば、GT-Rの速さと23号車のチーム力をもって挑む長丁場のレースに勝機は充分。昨年のこの大会で6位から優勝をもぎ取った記憶が残るファンにとって、予選4位は決して優勝の期待が褪せる結果ではないだろう。
●本山 哲のコメント
「予選一回目ではチームの好判断とマイケルの素晴らしいアタックで暫定トップを獲得することが出来たのですが、スーパーラップはタイヤのチョイスが非常に難しい状況になりました。新品のタイヤを選びアタックに挑んだのですが、ややタイヤが温まりきらずにタイムをロスしてしまったようです。ですがマシンの調子は開幕戦同様非常に良く、前戦でも予選4位からトップに立っているし、今回は特に長いレースなので優勝のチャンスは充分あると思っています。レースは今季初優勝に期待して、最後まで応援よろしくお願いします!」