2011スーパーGT RD8 MOTEGI 250KM RACE予選レポート
10月15日(土)天候:雨ときどき曇 路面:ウェット 気温:20℃ 路面温度:21℃(予選開始時)
スーパーGT2011年シリーズは、ツインリンクもてぎで最終戦を迎えた。シーズン序盤でランキングトップに立ちながら中盤以降に失速し、タイトル争いから一時後退していた23号車「MOTUL AUTECH GT-R」だが、第7戦で見事復活勝利を果たし、2台に絞られたタイトル候補の中の一台としてこの最終戦に臨むことになった。
トップとの差は16ポイント。自力タイトルの目は無く、優勝が必須という非常に厳しい条件ではあるが、前戦で12番手からの逆転という奇跡的な勝利を目の当たりにしたファンはもちろん、2度目の奇跡を信じて疑わない。もちろんチームも思いも同様である。その今季3度目の勝利への第一歩として、ストップ&ゴーのもてぎではことさら重要視される公式予選にまずは注目が集まった。
この日のもてぎは雨に見舞われ、午前中の公式練習からウェットコンディションでの走行となる。ここで23号車は前半を本山哲、ブノワ・トレルイエが代わる代わる走行。ピットイン、アウトを頻繁に繰り返し、セットアップを慎重に進める。そしてセッション後半に次々とベストタイムを更新すると、最終的には4位と好スタートを切った。
午後1時05分より、小雨が降ったり止んだりという状況の中、ノックアウト方式の公式予選が開始。11台のQ2進出を賭けたQ1、23号車は最初の30分間の混走で本山がコースイン。3周目にマークした1’55.625は5番手となる。そして残り10分で本山からブノワにバトンが渡ると、その2周目のアタックで1’54.588と順調にベストタイムを更新。ところがその後10分間の占有走行に入ると、ライバル達がニュータイヤで大きくタイムアップを果たしていく中、ブノワはベスト更新ならず。しかしなんとかギリギリ11位でQ2進出を果たした。
Q1ではやや不安の残る結末とした23号車だったが、約一時間のインターバルを経て行なわれたQ2では、アタッカーの本山がその不安を払拭する走りを見せる。早めにピットを飛び出した本山は最初のアタックで1’54.797をマークすると、続く2周目のアタックで1’53.628と1秒以上ベストタイムを更新しトップに立つ。その翌周も1’153.388とタイムを伸ばしトップをキープ。終了間際に2台にかわされることとなったが、堂々の3位でQ3進出を果たし、今季初のポールポジションを視野に入れた。
やや雨量が増した中の最終決戦となるQ3、23号車はブノワがアタックを行なった。そして開始直後にコースアウトしたマシンがコース上に砂利をばら撒くというアクシデントが起こったが、ここでほとんどのマシンがタイムを落とす中、23号車だけは好タイムをマークし2位に躍り出る。さらに翌周にもタイムアップを果たしフロントロー獲得かと思われたが、終了間際に僅差でかわされてしまい、23号車は5位で最終戦の予選を終えることとなった。
タイトルを争うライバルに前のグリッドを許してしまったため、23号車は今季最高位グリッドを手にしながらもタイトル獲得へはより劣勢となった。だがそれでも、チームがこの最終戦で目指すものに変わりはない。優勝へ向け、チェッカーまでひた走るのみである。
本山 哲のコメント
「路面の状況がセッション中に変化していくという、タイヤチョイスなど難しい予選でした。自力タイトルはない状況で、この最終戦のチームの目標はとにかく優勝すること。
もう少し前に行きたかったというのが本音ですが、その意味でいえば5番手は充分優勝を狙えるポジションだと思います。だからライバルの予選順位がどうであれ、モチベーションが下がることはありません。決勝もとにかくチーム一丸となってトップを目指すのみ。
シーズンを通し応援し続けてくれたファンや関係者のために、必ず有終の美を飾ってみせます。最後まで皆さん、応援よろしくお願いします!」