2011 スーパーGT RD3 マレーシア戦レースレポート
公式予選 6月18日(土)
天候:晴れ時々曇り 路面:ドライ 気温:34℃ 路面温度:44℃(公式予選1回目開始時)
事実上の開幕戦となった富士ラウンドで勝利し、最高のシーズンスタートを切った23号車「MOTUL AUTECH GT-R」は、続く岡山ラウンドでも40kgのウェイトハンデにより一発の速さこそ殺がれてしまったものの、決勝ではその影響を感じさせないキレのある走りで周回を重ね、堂々の5位入賞。ランキングトップをキープしたまま第3戦を迎えた。
今回は最大ウェイトハンデを背負っての戦いとなるが、現在日産勢としてもセパン4連覇中と好相性であり、ファンの期待は大きい。ここセパンでは酷暑対策としてGT-R勢がルーフにエアダクトを装着するのが常である中、23号車は少しでも空気抵抗を減らすためにダクトのないルーフを採用し予選に挑んだ。
午前の練習走行では、この日アタッカーを務めるブノワ・トレルイエがメインで走行しセットアップを進める。予選シミュレーションでのベストタイムは1’59.471。順位は13位。
好天の中、午後2時15分よりスーパーラップ進出を賭けた公式予選一回目が開始。23号車はまず、本山哲がコースイン。4周を走行し予選通過基準タイムをクリアすると、ピットに戻る。代わってステアリングを握るブノワは、混走の時間帯に一度コースインしてマシンの状態を確認すると、専有走行時間帯のラスト10分に備え集中力を高めていく。そして期待通りに渾身のアタックを見せ、練習走行でのベストタイムから1秒近く短縮する1’58.565をマークするが、やはり僅差で12位に留まる。52kgのウェイトハンデは厳しく、惜しくもスーパーラップ進出はならなかった。
●本山 哲のコメント
「正直言って、52kgのウェイトハンデは厳しかった。セパンは意外とアップダウンもあるし、ストレートエンドでのフルブレーキングも、そこから先のフル加速でも(ウェイトハンデが)ジワジワ効いてくる。でも、決して諦めているわけではありません。決勝に向けてセットアップも進めてきたし、ブノワと二人で追い上げていこうと思っています。」
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決勝 6月19日(日)
天候:晴れ時々曇り 路面:ドライ 気温:34℃ 路面温度:42℃(決勝開始時)
シリーズ唯一の海外ラウンドとなる第3戦、決勝がマレーシアのセパンインターナショナルサーキットで行われた。事前には様々な天気予報が情報として出回っていたが、結局この日も前日に引き続き、ドライコンディションに終始した。
決勝での追い上げに期待がかかる23号車「MOTUL AUTECH GT-R」。午前9時40分から行われたフリー走行ではブノワ・トレルイエ、本山哲の両ドライバーがしっかりと走りこみ、決勝セットの最終確認を行った。
オープニングセレモニーを終えると、いよいよフォーメーションラップが開始。1周のローリングラップを終えた午後4時04分、正式に決勝のスタートが切られる。12番グリッドの23号車は、スタートドライバーにブノワを起用。スタート直後の混乱を避けると、その後は粘り強い走行でジワジワとポジションを上げていく。17周目から各マシンピットインに向うが、ピットインを引っ張った23号車は24周目、トップにまで進出してみせた。
なおも4周にわたりトップを快走したブノワは、29周を走り終えたところでピットに向かう。そして後半のスティントを担当する本山に交代するが、このルーティンのピットワークで注目されたのが、タイヤ無交換作戦だった。前回の岡山でも同様の作戦を採った23号車だが、タイヤに厳しいセパンでの無交換は奇策だといえた。ともかくこの作戦により23号車はピットタイムでのロスを削り、5番手でコースに復帰することに成功した。
しかしその後、本山は周回毎にジワジワとポジションを落としてしまう。やはりタイヤ無交換作戦は失敗だったのか、ラップペースを上げることが出来なかった。だがペースが上げられない理由はタイヤではなかった。23号車は前半スティントから、サスペンションのトラブルに見舞われていたのだ。これでコーナーを攻めることが出来なくなった本山だが、それでも何とかポイントをもぎ取ろうと、抜かれたコーナーの先ではラインをクロスさせ再び抜き返すことにトライするなど、終始攻めのドライビングに徹した。
23号車は最終的に14位まで後退し、チェッカーを受けることになった。そしてノーポイントに終わりながらも、辛くもランキングトップを守った。しかし観戦していた多くのファンはそんな数字上のことよりも、その心に焼きついた23号車の“戦う姿”に何よりも、タイトル奪還の可能性を感じているに違いない。
●本山 哲のコメント
「ウェイトがかなり影響しました。それでもブノワが激走してポジションアップしてくれていたので、自分としても同じようなペースでは走っていけると思っていたし、そのつもりでした。それは、タイヤ無交換であっても。リヤに少しトラブルがあったみたいで、右コーナーでマシンが思うように曲がっていかず、ペースが上げられなくなった。悔しいですが、これもレース。
次のSUGOでも似たようなレース展開が予想されるので、今度はポイントを多く獲得出来るよう、頑張りたいと思います。皆さん、SUGOでも応援よろしくお願いします!」