S-GT RD8予選レポート<速報>
10月23日(土) 天候:晴れ 路面:ドライ 気温:19℃ 路面温度:30℃(ノックダウン予選開始時)
3月に開幕したスーパーGT 2010年シリーズは7ヶ月に渡る激闘を経て、いよいよピリオドが打たれる。10月23日、ツインリンクもてぎで最終戦の公式予選が行なわれた。
富士スピードウェイで予定されていた第7戦が中止となったことは、シーズン中盤から調子を上げてきた23号車「MOTUL AUTECH GT-R」にとって、ポイントを稼ぐチャンスをひとつ失ったということになる。ランキング6位から逆転でタイトルを奪うための戦いはこの最終戦のみ。したがって、可能性は非常に薄いものとなった。しかし23号車には、今季まだ果たされていない優勝を成し遂げなければならないという目標が残されている。23号車はスーパーGTにおいて、未勝利のシーズンがここまで一度もない強豪チームである。その誇りが、本山哲、ブノワ・トレルイエ、そしてチームのモチベーションを上げていた。
秋晴れに包まれたこの日のツインリンクもてぎは、朝から予想以上に気温、路面ともに上昇した。午前の公式練習を8位とした23号車はまず、午後1時05分からの公式予選一回目に挑んだ。今回の公式予選はノックダウン方式で争われるため、このセッションは二人のドライバーが予選通過基準タイムをマークするためのものになる。本山、ブノワはトラブルなくそれぞれ数周のアタックを行なうが、順位は11位に留まる。ここでの順位は予選結果に影響しないとはいえ、本番のノックアウト予選に向け、やや不安を残した。
そして約1時間のインターバルの後迎えたノックアウト予選、まずは上位10台が選出される10分間のQ1が開始された。23号車はブノワがコースイン。ウォーミングアップを終え、2周目に最初のアタックを行うと、ここでマークした1’45.435はこの時点のトップとなる。しかしその直後の1コーナーで、痛恨のコースアウト。連続アタックを行なうことは出来なかった。以降ライバル達は続々とこれを上回り、23号車は一気にQ2進出圏外にまで転落。コースインのタイミングが早かったため残されていたわずか1周のチャンスにQ2進出は託されることになる。そしてブノワはこのラップを無難にまとめると1’44.609でなんとか10位まで順位を上げ、Q2進出を決めた。
続くQ2では本山がアタックを行なった。ここからはセッション時間が7分間となりアタックチャンスはQ1より少なくなるため、ミスは許されない。本山はまず、ウォーミングアップで1周を周回すると2周目にアタック。これをうまくまとめ、1’44.402というこの日のベストタイムをマークする。しかしQ3進出圏内の8位には、わずかに届かず。明日の決勝に23号車は、9番グリッドから挑むことになった。
路面温度が高い夏場に強かった反面、午後になり徐々に冷えていく路面に対し、23号車はうまくパフォーマンスを維持することが出来なかった。だが勝負はあくまで、決勝のチェッカーを迎えた時。今回は250kmという微妙なレース距離とあって、抜きにくいもてぎでも、戦略面で挽回することが充分可能である。23号車はシーズンを通してずっと応援してくれたファンや関係者に報いるためにも、すべての力を振り絞りシーズンラストファイトに臨む。
本山選手のコメント
「第7戦が中止になったことで確かにタイトルの可能性は少なくなりましたが、いつでも目の前の戦いに対し、優勝するために全力を尽くすということに変わりはありません。最終戦のレースは9位スタートですが、もちろんそこからトップに立つためのレースを展開していきたいと思います。明日はとにかく、シーズンの集大成として悔いの残らないような戦いをしたい。皆さんも是非最後まで、応援よろしくお願いします!」