2016 AUTOBACS SUPER GT Round5
「FUJI GT 300km RACE」 REPORT
8月6日(土) 天候:晴れ 路面:ドライ 気温:32℃ 路面温度:52℃(予選開始時)
■公式練習結果:1位 1’29.468(本山)
■公式予選結果:2位 Q2タイム1’29.934(本山)
スーパーGT2016シーズンは第4戦から2週間のインターバルを経て、第5戦を富士スピードウェイで迎えた。
3位表彰台でシーズンをスタートしたものの、その後運に見放され続けている46号車「S-Road CRAFTSPORTS GT-R」にとっては、予選2位、決勝でも途中までトップを走った富士が再び舞台ということで、流れを変える大きなチャンス。
真夏の3連戦と称される第4~第6戦だが、その第2ラウンドでようやく夏らしい気候となったことも、夏場を得意とするミシュランユーザーにとっては大きな武器となると思われた。
午前中の公式練習では序盤に本山哲のドライブによりセットアップが行われたが、その際マークしたトップタイムは、終盤の占有走行時間帯になっても破られなかった。
そればかりかロングランも高いレベルで安定しており、46号車の滑り出しは期待を上回るものだった。
午後になるとさらに気温は上がり、午後2時51分からのGT500クラス予選Q1は気温32℃、路面温度52℃というコンディションでスタート。
このためタイヤのピークは限られ15分のセッションの中、各マシンは予想通り短い周回でのアタックに賭けた。
今回もQ1は千代勝正が担当した。46号車は残り7分30秒というところでコースインすると1周のウォーミングアップラップの後2周目にアタックを行う予定だったが、トラフィックを避け3周目にアタックを敢行。そして2周目のアタックで数台がかなり速いタイムを刻んでいたにもかかわらず、46号車はさらにこれを上回ってみせる。
午前の公式練習に続きトップタイムでQ1を通過した46号車へのポール獲得の期待は、さらに膨らむことになった。
続くQ2は、路面温度が47℃まで下がった午後3時36分より行われた。12分のセッションの中、Q1同様に各マシン序盤はコースに出ず、1台を除き動き始めたのは残り8分を切ってから。
本山哲を乗せた46号車もこのタイミングでコースインし、1周のウォーミングラップを経て2周目よりアタックを開始。
トラフィックの影響からストレートでは最高速にまで達せられず、また路面温度もピークを越え若干下がり始めるなど完璧なアタックスタートとはならなかったが、本山はセクター2まで最速を刻むとトータルでもトップと僅差の2位に浮上してみせる。
そして、その後2周に渡りアタックを続けわずかにタイムアップを果たした46号車だったが結局2位で第5戦の予選を終え、決勝レースはフロントローの2番手からスタートすることとなった。
●本山哲の予選コメント
「計測2周目がアタックのターゲットだったのですが、アタックに入る際に前にクルマがいてスピードをちょっと緩めたことで完璧な入り方ができませんでした。
ポールを獲るチャンスを逃してしまったことは残念ですが、タイヤに関してもクルマに関しても決勝に向け全く不安はないので、フロントロースタートであれば優勝できる可能性も高いと思っています。
前回の富士も、惜しいところで優勝を逃してしまったので、今度こそは優勝できるよう頑張ります。皆さん応援よろしくお願いします!」
8月7日(日) 天候:晴れ 路面:ドライ 気温:33℃ 路面温度:49℃(決勝開始時)
■フリー走行結果:1位 1’30.669(千代)
■決勝結果:リタイヤ(34周)1h02’37.104(本山→千代)
前日に続き、この日の富士も夏真っ盛りの暑さにつつまれた。だがこのコンディションにこそ高いパフォーマンスを発揮する46号車「S-Road CRAFTSPORTS GT-R」にとっては願ってもない展開。
フロントローの一角からスタートするこの第5戦決勝で今季初優勝が達せられる可能性は、さらに高まったといえた。朝9時より行われたフリー走行でも46号車はトップリザルトと、万全の準備を整え午後の決勝スタートの時を待った。
決勝がスタートする午後2時35分は日差しがピークの時間帯で、路面温度は前日ほどではないものの50℃近くにまで達していた。
各マシンはタイヤやブレーキに対する暑さの影響を考慮したのかレースは静かな幕開けとなり、序盤は上位の順位変動がほぼなかった。
46号車のスタートドライバー本山も序盤はトップのマシンの背後で1~2秒差をキープし、反撃のチャンスを待った。
19周目には接触したマシンがパーツをコース上に落としたことでセーフティカーが入り、トップ浮上のチャンスが訪れたかと思われたが、運悪く間にラップダウンのマシンが1台入ってしまう。
結果的にタイム差は変わらず。46号車のトップ浮上は後半スティントへと持ち越されることになった。
レースが中盤にさしかかる30周目あたりから、ルーティンのピットインが始まった。46号車はトップと3秒差で32周目にピットインし、ドライバーは千代勝正へとスイッチ。
2番手をキープしたままコースに復帰すると、千代はその1周目からプッシュしトップとのギャップをつめていった。
ところが46号車は結局、このレースでも運に見放されてしまう。
35周目に入ったところでマシントラブルが発生しコントロールが効かなくなったことで、1コーナーでクラッシュ。
46号車はここで戦線離脱を余儀なくされた。うまくマシンをスピンさせ衝撃を最小限にとどめる機転をきかせた千代に幸い大きな怪我はなかったものの、前戦に続くノーポイントフィニッシュという痛恨の結果に終わってしまった。
●本山哲の決勝コメント
「レースは想定していたよりも暑くなったので、クルマとタイヤをセーブしながら前半は2位をキープし、路面温度が下がる中盤から後半にかけ千代がプッシュするという作戦でした。
そして予定通りの展開になり・・・優勝にたどり着けそうだと思い始めた矢先のアクシデントだったので非常に残念です。
でもレースを戦う上でこういうことが起きるのは仕方がないこと。その中で千代に大きな怪我がなかったのは幸いでした。マシンも大丈夫だと思うので、ハンデの部分でも有利になる鈴鹿1000kmこそは勝てるよう頑張ります。
次戦も皆さん、応援よろしくお願いします!」
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