2016 AUTOBACS SUPER GT Round2
「FUJI GT 500km RACE」 REPORT
スーパーGT2016シリーズは開幕戦から約3週間のインターバルを経て、第2戦を富士スピードウェイで迎えた。
開幕戦3位表彰台という結果から本山哲&千代勝正という新しいドライバーコンビが強力であることを証明した46号車「S-Road CRAFTSPORTS GT-R」の次なる戦いは500kmという長丁場。
マシンおよびドライバー二人の安定した速さに加え戦略、判断力、ピット作業などすべての要素が備わっていなければ制することはできないレースだ。
勢いだけでなく年間を通じてタイトルを争える力がチームにあるのか、まさにその真価が試される1戦となった。
【予選】5月3日(火) 天候:曇り 路面:ドライ 気温:19℃ 路面温度:26℃(予選開始時)
■公式練習結果:2位 ベストタイム1’28.915(千代)
■公式予選結果:2位 Q2タイム1’27.687(本山)
開幕戦の好調ぶりはこの日、午前中に行われた公式練習でも同じように発揮された。
ドライコンディションの下、46号車はまず本山の走行によりセットアップおよびタイヤ評価を念入りに行うと、中盤からは千代がドライブ。
序盤から好タイムを連発し、ラスト10分のGT500占有走行時間には千代が1’28.915と、クラス2位のタイムをマークする。
惜しくもポールを逃した開幕戦予選の雪辱が期待された。
午後2時50分から行われた予選Q1は曇り空の下、午前と比べるとかなり路面温度が下がったコンディションで行われたが、その変化に最もうまく対応したのが46号車だった。
7分過ぎに各マシンがコースインをはじめると、Q1を担当する千代を乗せた46号車はそこから1分ほど遅れアタックを開始。ウォーミングラップを経て各マシン、徐々にタイムを伸ばしていく中、初の27秒台に入れてきたのが千代だった。
1’27.366はコースレコードにあたり、46号車はその時点で2位に1秒近い差を築く。その後これを更新するマシンはなく、46号車は堂々のトップでQ2に進出を果たした。
GT300クラスのQ2を間にはさみ、午後3時35分よりGT500クラスの予選Q2が開始。Q1の結果から予想された通り、ポールをかけた最後の争いの主役の一角となったのが46号車だった。
Q1と同様にセッションが残り8分となったあたりから各マシンが動き出すと、そこから連続アタック。チェッカーに近づくにつれ、ポールをめぐる攻防は激しさを増していった。
本山がドライブする46号車はそんな中1’27.708をマークしトップに立つが、僅差でそのタイムは1台に破られてしまい、ラストアタックではさらに1’27.678までタイムアップを果たすもわずかに届かず。46号車は決勝レースを、フロントローの2番手から今季初優勝に挑むこととなった。
●本山哲の予選コメント
「クルマ、タイヤともにQ2のコンディションにも充分マッチしていたのですが、路面温度が下がっていた影響もあってアタックをちょっと慎重に行き過ぎた部分もありパフォーマンスのピークを1周に集められず2周に分散してしまいましたね。
しかし予選だけでなく練習走行ではロングのペースも良く、クルマ、エンジン、タイヤとともに二日間トップレベルで戦える自信があるので決勝でも期待してください。
長いレースなので、まずはチャンピオンシップを考えて落ち着いたレース運びをし、きちんとポイントを獲ることが第一目標。その中でもちろん、優勝を狙っていきます。」
【決勝】5月3日(水) 天候:晴れ 路面:ドライ 気温:24℃ 路面温度:40℃(決勝開始時)
■フリー走行結果:13位 1’31.823(千代)
■決勝結果:7位(109周)2h59’29.897(本山→千代→本山)
心配された雨は予想よりも早く明け方には止み、5月の日差しと強い風が急速に路面を乾かし、朝8時半からのフリー走行はドライコンディションで行われた。
ここで46号車はマイナートラブルが発生したことで13位という結果に終わったが、レースに支障をきたすようなのものではなかった。
午後2時、500kmの戦いの火ぶたは切られた。長丁場のレースらしく15台はいずれもクリーンなスタートで、オープニングラップでの順位変動はなかった。
スタートドライバー本山哲を乗せた46号車も2位をキープ。その後、しばらくは前後距離を置くかたちで単独走行となるがレース序盤は大きな変動は無く、31周目に1回目のピットインに入り、タイヤの種類を変え挽回を図った。
第2スティントのドライバーを千代勝正に代えた46号車は、3位でコースに復帰。開幕戦で見せたようなアグレッシブなドライブで2位に迫る。そして、しばらくはチャンスをうかがっていたが43周目、1コーナーでバトルに持ちこむとその先でついに攻略に成功。46号車はここで、スタート順位の2位に復帰する。
さらに、この時点で10秒以上あったトップの差はこの後、徐々に詰められていくことになる。65周目には8.5秒差、68周目には7.4秒差。終盤にはトップ争いを繰り広げるであろう展開を誰もが予想した。
しかし状況はこの後一変、72周目にセーフティカーが入ったことが勝負の明暗を分けることになった。
SCは、この周回に2回目のピットインを予定していた46号車にとってはまさに不運。SCラン中はピットに入ることができず、燃料が足りない状況へと追い詰められていく。
チームはここで、ペナルティ覚悟でピットインを敢行する決断を下した。
1周以上にも相当する90秒のペナルティピットストップを消化した46号車は10位でコースに復帰。レースはまだ約1/3を残していたが、完全に優勝戦線からは脱落したかたちとなる。
しかし第3スティントで再びステアリングを握った本山は落胆することなく1つでもポイントを積み重ねようと最後までプッシュを続け、7位まで順位を上げチェッカーを受けた。
ペナルティ覚悟のピットインは、ピットインせずにその後ガス欠でリタイヤしたマシンもあったことを考えれば結果的には好判断。46号車のチーム力が招いた4ポイントだった。
●本山哲の決勝コメント
「とにかく不運な結果としか言いようがありません。あの周に給油しなければ走り続けることはできませんでした。
その状況がありながらも7位でポイント獲得ができたのは良かったです。
ただ、このレギュレーションは現状で適正とはいえず、スポーツという面では考え直す必要があるように感じます。
数年前にも同じペナルティを受けましたが90秒ストップではその時点で、戦う権利がなくなってしまうので・・・・
色々な考え方が有ると思いますが、是非ファンを含め全体の為にも議論してより良い形にして欲しいと思います。
開幕戦同様、今回も二日間を通じてクルマもタイヤも戦略もドライバーも、すべて素晴らしいパフォーマンスを発揮できました。
次戦は7月の菅生。
今回以上のパフォーマンスを発揮できるよう努力し、優勝を狙っていきますので皆さん楽しみにしていてください。
次戦も応援よろしくお願いします!」
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