2015 AUTOBACS SUPER GT Round7
「SUPER GT in KYUSHU 300km RACE」REPORT
4月に開幕し、各地の主要サーキットを転戦してきたスーパーGT 2015シリーズもいよいよ大詰め。
シリーズセミファイナルの第7戦が、大分県日田市のオートポリスで開催された。
前戦で2位表彰台を獲得しトップと6ポイント差のランキング3位につける46号車「S-Road MOLA GT-R」にとって今回は、最終的にタイトルを獲得するために決してポイントを獲り逃がしてはならない重要な一戦。
10月初めに行われた公開タイヤテストにはチームとしては不参加だったものの、大駅監督と柳田真孝がニスモチームに合流するかたちで参加し、そのための準備を整えていた。
【予選】10月31日(土)天候:晴れ 路面:ドライ 気温:12℃ 路面温度:25℃(予選開始時)
■公式練習結果:10位 ベストタイム1’34.158(柳田)
■公式予選結果:10位 Q1タイム1’34.288(柳田)
景色は一気に冬色が増してきたものの、この日は雲ひとつない青空が広がる好天に恵まれた。午前9時からは公式練習が行われ、46号車はまず本山哲のドライブで走行を開始。チェック走行を終えると一度ピットに戻り、そこから本格的なメニューに入る。
このセッションの最優先テーマは、タイヤの選択と性能の見極め。ある程度の感触を掴んだチームはその後ドライバーを柳田に代え、確認のために入念なロングランを行った。このセッションでのベストタイムは、柳田がマークした1’34.158でクラス10番手。だが決勝を重視したタイヤ選択を行っていた46号車にとってこれは、納得のいく順位だった。
公式予選が行われたのは午後1時半から。GT300クラスのQ1の後、GT500のQ1がスタートした。セッション序盤は全てのマシンがピット待機となり、約5分が経過したあたりから各マシンはコースインしアタックを開始。
46号車は柳田がQ1のアタックに挑んだ。路面温度が低いことでアタック周回までにいかにタイヤに熱を入れられるかがカギを握ると見られる中、柳田は完璧な手順でウォーミングラップをこなし3周目にアタックに入る。
そして、トラフィックの影響をやや受けながらも柳田がマークした1’34.288は従来のコースレコードを更新する好ラップだったが、順位としてはクラス10位。5位から11位までの7台がコンマ5秒内にひしめき合う接戦の中、わずかコンマ2秒ほど及ばずQ2進出を逃してしまった。
46号車はこの時点で、10番手グリッドから決勝に挑むこととなった。
●本山哲のコメント
「予選Q1は柳田が頑張ってアタックしたと思いますが、トラフィックが災いしてしまいました。でも今回、46号車は予選よりも決勝を見据えてタイヤを選んでおり、10位は今日のコンディションにそれが合わなかったことでの順位。
決勝でのレースペースには自信があります。それに、このサーキットで10番グリッド辺りから優勝したこともあるので、決勝に不安はありません。ぜひ期待して下さい、皆さん応援よろしくお願いします!」
【決勝】11月1日(日)天候:曇り一時雨 路面:ドライ 気温:14℃ 路面温度:18℃(決勝開始時)
■フリー走行結果:9位 1’37.484(柳田)
■決勝結果:6位(65周)1h51’24.161(柳田→本山)
前日とは一転。決勝が行われたこの日は白い雲が空を覆い、吹く風も一層肌寒さを増した。予報によれば天気は下り坂で、レース中に雨が落ち始める可能性も示唆されていた。午前9時からのフリー走行では、46号車は9番手。それでも本山、柳田の両ドライバーはマシンのフィーリングに満足し、決勝で順位を挽回する自信に揺るぎはなかった。
午後2時、大分県警の白バイ隊とパトロールカーよるパレードラップの後、フォーメーションラップが行われ、いよいよ第7戦のレースがスタート。
クリーンなスタートが切られ、各マシンはほぼスターティンググリッド通りのオーダーのままオープニングラップを終える。46号車のスタートドライバーをつとめる柳田もポジションをキープし、2周目へと入っていった。ところがレースはその後トップ3台が4位以下をじわじわ引き離していく展開となり、4位以下は団子状態。
抜き難いサーキットということもあり46号車は序盤、思わぬ苦戦を強いられることとなった。それでも柳田は諦めることなく粘り強く走り続け、レースの折り返しを過ぎる37周終了時点まで前半のスティントを引っ張り、後半スティントの本山へとバトンを繋いだ。
本山は11位でピットアウトすると、数周のうちに9位まで浮上。さらにここから、本領を発揮することになる。8位のマシンを鮮やかにパスするとその後、6位、7位のマシンと三つ巴のバトルへと展開。
トップから1分近く離された6位争いは本山、そして46号車にとって満足すべき舞台ではなかったが、1つでも多くポイントを獲得するために決して手を緩めることなく、トップを上回るラップタイムを刻みながら走り続けた。
レース終盤にはコースに雨が落ち始め、濡れた路面をスリックで走るというプレッシャーがかかる状況になるが、そうなればますます本山の技術は冴え渡る。そして61周目に7位に浮上すると最終周回の65周目には6位を捉え、そのままチェッカー。
この結果トップとのポイント差は広がったがランキング4位を堅守、逆転タイトルの可能性を残し46号車は最終戦に臨むことになった。
●本山哲のコメント
「決勝重視のタイヤ選択だったことで予選は厳しかったけれど、決勝では功を奏することになりました。
グリッドが後方だったことで前半でのタイムロスが響いて最終的に6位留まりとなってしまいましたが、ペース自体は悪くなかったと思います。
自分のスティントは雨で路面がスリッピーになっていたので楽ではありませんでしたが、終盤の3台によるバトルは楽しめました。
結果的にはランキングトップに差を広げられることになりましたが、10番手から6位まで追い上げることができてチャンピオンの権利を失わなかったことは良かったと思います。
こうなれば最終戦はもう、優勝するしかありません。皆さん、最終戦も応援よろしくお願いします!」
motoyama.net
S-GT RD7レポート (2)
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