S-GT RD9決勝レポート
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2009Super GTRD9ツインリンクもてぎ・決勝レポート 11月8日 天候:晴れ 路面:ドライ 気温:20℃ 路面温度:24℃
3月に開幕したスーパーGTはこの日、3万5千人のファンが埋め尽くすツインリンクもてぎで、いよいよシーズンのフィナーレを迎える。約8ヶ月間にわたり繰り広げられてきた激闘に、終止符が打たれる時がやってきた。
シーズン中盤からランキングをリードしてきた「MOTUL AUTECH GT-R(1号車)」にとって、待ちに待った“タイトル決定”の瞬間が目前に迫る。しかし最終戦の決勝グリッドを5番手とし、さらにランキング2位、3位が前方に位置することになったため、簡単に手に入れることは出来なくなった。
今季、幾度もの試練を乗り越えてここまで辿りついたチームだったが、最後の最後に“もうひとふんばり”が必要になるのである。本山哲、ブノワ・トレルイエ、そしてチームスタッフにとって、性能調整のハンデの影響が大きい茂木ではもはや“リードしている”意識はなかった。ライバルの前でチェッカーを受けることだけに集中し、スタートの時を待った。
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今季最後のレースは、秋晴れに恵まれた絶好のコンディションの下、午後2時にスタートを迎えた。1号車のスタートドライバーはブノワ。今回のレース距離は250kmと通常より短くなったこともあり、ソフトタイヤでスタートからプッシュし、序盤で順位を上げることがこの日の作戦であった。そしてブノワはオープニングラップから、早速勝負に出る。ライバルである36号車を援護するような動きを見せる38号車にスタートから抑えられながらも4位のマシンに猛全と迫りサイドバイサイドに持ち込み、続けざまにオーバーテイクを仕掛けていく。
ところが相手の執拗なブロックに遭ってしまい、2周目にはその間隙を後続に付かれ逆に6位に後退。しかしブノワはあきらめず、そこから再び猛反撃に転じると、翌周5位に戻しさらに4周目には4位へ浮上。その後もプッシングされながらもその猛攻に堪えタイトルに向かってひた走った。ランキング2位のマシンはこの時点でトップに立っていたため、最低でも2位に辿りつかなければタイトルは逃げてしまう。ブノワは力をふり絞った。 しかしその激しいバトルの中での接触でスローパンクに見舞われてしまい、17周目にはついに悲鳴を上げてしまうのである。
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チームは素早くタイヤ交換の準備を整え、本山とともにブノワの帰りを待つ。しかし18周目、タイヤはついにバーストしてしまい、スロー走行を余儀なくされてしまった。ピットにようやく戻ってきた1号車だったが、バーストしたタイヤがさらにフェンダー部分の破損を招いてしまい、マシンはガレージに一旦収められ修復作業が行なわれることになる。修復を終え後半担当の本山がコースに復帰した時には、すでに5周のラップダウン。もはやタイトルの可能性はないに等しかったが、それでも本山はここまで戦ってきたチームのため、そしてチャンピオンの瞬間を見るためにもてぎを訪れたファンのために、一縷の望みにかけ走り続けた。
しかし5ラップの遅れを取り戻すことは難しく、1号車はそのまま48周目にチェッカーを受けることになった。タイトル獲得はならず、ランキング3位で2009年シーズンを終えた。 苦しい戦いから幕を開けることになった2009年シーズンでしたが、中盤からトップへと浮上し最後までタイトルを争うことが出来たのも皆様の声援という、後押しがあったからからこそ。ご支援頂きましたスポンサーの皆様はじめ、最後まで応援していただいた大勢のファンの皆様に深く感謝申し上げます。
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本山選手のコメント
「レース序盤にあのようなかたちで勝負権を失ってしまったことは、残念でなりません。ブノワはチームの作戦通りに戦い、素晴らしいファイトを見せてくれました。また結果的に2年連続のタイトルを逃すことにはなりましたが、チェッカーの瞬間までチームは皆、立派に戦い続けたと思います。悔いが残らなかったわけではありませんが、今は“来年必ず、このリベンジを果たす”という気持ちでいっぱいです。皆様、この一年間応援し続けていただき本当に有難うございました!」