2012 FIA WORLD ENDURANCE CHAMPIONSHIP RD3 「Le Mans 24Hours Race」 予選レポート
6月13日(水)、14日(木) 天候:晴れ時々曇り 路面:ドライ 気温:16℃ 路面温度:20℃(公式予選1回目開始時)
日曜日にセパンでのスーパーGT第3戦を終え、そのままマレーシアからフランスに向かい、旅装を解くこともそこそこに月曜日夕方に行われた車検&ドライバー登録に顔を出す……。
本山哲にとって13年ぶりの「ル・マン24時間」チャレンジは、こうして始まった。
新時代のテクノロジーを磨く……そんな観点から、第80回目を迎えたル・マン24時間レースに今年から新たに設けられた「ガレージ#56」の特別枠で参戦する「デルタウィング・ニッサン」をミハエル・クルムとともにドライブすることになった本山は、不本意な内容に終わったセパンのレースを引きずることなくル・マンに乗り込んだ。
そして水曜日から、いよいよ新時代に向けたチャレンジが始まった。
最初の走行枠は、水曜の午後4時から4時間にわたって行われたフリープラクティス(公式練習)。ここで本山はあっさりと、マシンのセッションベストとなる3分43秒576をマーク。総合28位、LMP2クラスの中段につける、なかなかの好タイムをたたき出す。だが午後10時から始まった1回目のクォリファイ・プラクティス・セッション(公式予選)では、クルムが乗っているときに消火器のトラブルが出てしまい、それを修復するのに時間を費やしてしまったため、本山は結局このセッションでは走行することができなかった。
翌木曜日は午後7時から9時と、午後10時から12時。それぞれ2時間ずつのクォリファイ・プラクティス・セッションが2回行われる。ところが、午後7時からのセッションでクルムが最初に3’42.612のマシンのベストタイムを更新したものの、その後マリノ・フランキッティがドライブした際にトラブルが発生。結局このセッションも、本山がデルタウィングをドライブする機会はなかった。
こうして迎えた3回目、午後10時からのセッションでようやく本山の予選は始まった。ただし、予選アタックをする以前にナイトセッションを5周走行することが義務づけられているために、まずはその義務を果たすことが最優先。そしてクルムに変わったところで再びブレーキにトラブルが出てしまい、ここでも本山の渾身のアタックを見ることはできなかった。
それでも、耐久レースはチェッカーを受けることが最優先であり、何よりも予選を通過することが先決。クルムが午後7時からのセッションでマークしたタイムはそれ以後更新されることはなかったが、「デルタウィング・ニッサン」は総合29番手に留まり、決勝進出を決めた。本山にとっては不完全燃焼の公式予選となったが、土曜日の午後3時(日本時間で土曜日の午後10時)にスタートが切られる決勝では、その分の奮起に期待したい。
●本山哲のコメント
「クルマを最初に見たときは、正直言ってビックリ。でも、ドライブしてみると意外に普通で、例えて言うならF3に似たフィーリングでした。レーシングウィークに入ってからはトラブル続きで、走り込めなかったのは正直不本意ですが、それでも日産やミシュランタイヤのエンジニアたち、そしてチームのスタッフたちと一丸となって、全く新しいことにチャレンジできるのは素晴らしいこと。モチベーションが下がることはありません。明日(金曜日)はお休みだけど、チームは決勝レースに向けてクルマを完璧に仕上げてくれると思うので、決勝レースが楽しみです。みなさん、決勝も応援してください!」